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<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"><title>あまねけ！ - ugoki</title><link href="https://amanejp.netlify.app/" rel="alternate"/><link href="https://amanejp.netlify.app/feeds/ugoki.atom.xml" rel="self"/><id>https://amanejp.netlify.app/</id><updated>2026-09-10T16:05:00+09:00</updated><entry><title>おうち縁日は発電機で焼きそばを食え！</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/yakisoba-generator/" rel="alternate"/><published>2026-09-10T16:05:00+09:00</published><updated>2026-09-10T16:05:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-09-10:/post/yakisoba-generator/</id><summary type="html">&lt;p&gt;ラードあったらラードも見てきて&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;おうち縁日というのがあるらしい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;縁日というのは、ハレの日だ。ハレの日というのは、つまり屋台が出る日ということだ。多くの人がイメージするのは、昔ながらの神社が開く例大祭で参道や境内を埋め尽くすいわゆる三寸屋台であろう。小さな売台の前と左右に幕を垂らし、そこにはロダンルテミと書かれている。つくばにいた頃には、一ノ矢八坂神社でニンニク祭りという独特な夏祭りがあった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;文字通りのおうち縁日なら、こうだ: 最寄りの熊野神社あたりで御分霊をいただいて庭に小さな社を建てる。参道を整備する。例大祭の日付を決めて近所に知らせる。それから馴染みの露店商を誘う。もちろん一般公募でもいい。当日は庭が屋台で埋まり、ハレの日らしい食べ物やゲームを楽しむ。神さまが繋げてくださった縁に感謝する。いや忘れていた、つまり神輿も作っておくべきだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、現実のおうち縁日というのは、こうだ: 土着の縁や雑然とした喧噪が渾然一体になった縁日をバラバラに解体する。そこから屋台を取り出す。屋台をトンカチで割って中のコアを集める。屋台のコアというのは、射的、輪投げ、かき氷、チョコバナナ、焼きそばなどである。つやつやした丸い屋台のコアを机に並べて、提灯のガーランドや横幕を飾り付ける。つまり、屋台のコアを経由して縁日を再構成するV字モデルを描く。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;要するに、屋台っぽい飾り付けで屋台っぽい体験を楽しむのが「おうち縁日」である。軽くインターネットを探してみると、壁や机にすだれをかけて夏っぽい飾りやおしながきを貼り付ける、どちらかといえば海の家っぽいスタイルのコンセプトの屋台が多い。すだれの代わりに紅白幕を使った演出も、見た目は福引や甘酒の配布コーナーに近いかもしれない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この屋台っぽい、というのが重要である。ここにいわゆる「縁日」の姿はない。おうち縁日を紹介する写真だけを見れば「おうち屋台」とでも呼ぶべきイベントが、そう呼ばれていないのには理由がある。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;縁日というのは、ハレの日だ。ハレの日というのは、つまり日常の中にある非日常ということだ。「おうち」が日常であり「縁日」が非日常なのだから、それを組み合わせた「おうち縁日」が日常の境界を飛び越える新たな儀式なのは明らかである。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;言うまでもなく、おうち縁日それ自身が自然に日常の境界を飛び越えるわけではない。「おうち」の先に漫然と「縁日」を置いただけでは、やはり非日常は起こらない。「おうち」の日常を自分たちが支配できる範囲と定義すれば、「縁日」の非日常はその外側の支配できない領域だ――土着のお祭りや神仏は分かりやすい代表例にすぎない――といえる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;おうち縁日が提示する非日常さのリアリティを高めるための取り組みは様々である。表面的な飾り付けのアイデアだけではなく、その手作りの屋台を非日常に送り出す仕組みなしでは「おうち縁日」は成立しない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;例えば――きちんと始まる時間と終わる時間を決めること、100円玉を入れた小さながま口を持ち寄って遊べる回数を決めること、いつもは着ないお気に入りの浴衣を着てくること、縁日の場所を「夜」に仕立てること、あるいは家の中に屋台までの参道を作ること。もちろん、「おうち」で聞くことのない音を流すのも効果的である。祭り囃子、盆踊り曲、打ち上げ花火の音などが流れる空間はいかにも「縁日」っぽい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、こうして「いかにも」な演出を加えて隙間を埋めていくと、細部までなめらかに仕上げられた「縁日」空間に神は宿らないことにも注意が必要である。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;本物の「縁日」は、あらゆる景色が非日常で埋められているわけではない。祭り囃子も打ち上げ花火も祭りの一瞬である。屋台で射的をしたり焼きそばを受け取る時間も、そうだ。お祭りに出かける多くの時間は誰かと歩いたり、屋台を眺めながら話したり、薄暗い境内の階段に座って休んだりする。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さて、私たちが「縁日」を歩き、話し、休んでいるときに自然に聞いているのに「おうち」ではあまり耳にしない音――&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://taira-komori.net/enviroment02.html#audiojs_wrapper61"&gt;屋外発電機？: 街の環境音２（騒音系）～フリー効果音・無料効果音素材&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これこれこれ！　興奮してきたな。ちょっとループさせてみるか……繋がってる！　さすが効果音素材だ。もうちょっと長くしてみよう。&lt;/p&gt;
&lt;video controls width="480" height="275" src="/images/yakisoba-generator/generator-short.webm"&gt;あまねちゃんが薄暗い境内の階段に座って休んでいる動画&lt;/video&gt;
&lt;p&gt;&lt;cite&gt;image and video generated by ChatGPT Images 2.5 and MiniMax H3 Max, sound provided by &lt;a href="https://taira-komori.net/"&gt;小森 平&lt;/a&gt;&lt;sup id="fnref:no-cc-by"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:no-cc-by" title="この動画はCC BY 4.0でライセンスされていません。"&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こりゃいい！　&lt;a href="https://www.youtube.com/watch?v=ncA7cxi8zw0"&gt;1時間くらい&lt;/a&gt;流しっぱなしにすればもう完璧だな。この音をおかずに透明なパックに入った焼きそばを食べれば、もう薄暗い神社でしゃがんでいる気分だ。縁日には、落ち着いて食べられるテーブルなんてほとんどない。ふにゃふにゃのパックを片手で支えて箸も使いにくくって、ソースの味しか分からないけど……なんだか楽しい。こいつ、笑うとこんなに可愛いんだ！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、よく仕上げられた「おうち縁日」の空間と時間を日常から断絶した上で、普段は意識しない感覚で残った隙間を埋め戻すと、それ自体が「縁日」の非日常性を高めていく。「おうち縁日」というのは、こうした絶妙なバランスの上に成り立つ結界を楽しむイベントだといえる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最近は静音型の発電機や蓄電池型のポータブル電源も珍しくなくなった。騒がしい発電機の音を聞く機会自体は徐々に減っていくだろう。それでも、まるで車にでも乗っているような発電機の揺れを感じながらパサパサの焼きそばを頬張ると、急に日常と非日常の境目が分からなくなるものだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここで、おいしい縁日焼きそばの作り方: 具材は少なめでOK！　豚こまをちょろっと申し訳程度に、入れたければにんじんかもやし、キャベツは芯に近い部分を大きめに切って入れるのがオススメ。具と麺は別々に、もしあればラードで炒めるといいね。味付けは粉末ソースで、フライパンでしばらく放置してからもう一回温めると、いい感じにパサパサになるよっ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;秋祭りならまだ間に合う。今週末、おうち縁日は発電機を聞いて焼きそばを食え！&lt;/p&gt;
&lt;div class="footnote"&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id="fn:no-cc-by"&gt;
&lt;p&gt;この動画は&lt;a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/"&gt;CC BY 4.0&lt;/a&gt;でライセンスされていません。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:no-cc-by" title="Jump back to footnote 1 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/div&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>社内AIのエンジニアリングを押し付けられてから一週間経った</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/it-dept-bullshit-engineering/" rel="alternate"/><published>2026-09-04T17:44:00+09:00</published><updated>2026-09-04T17:44:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-09-04:/post/it-dept-bullshit-engineering/</id><summary type="html">&lt;p&gt;ひどいなぞなぞ&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;――500マイル離れるとメールが送れなくなる。朝7時になるとインターネットに繋がらなくなる。お茶を淹れると社内ネットワークが使えなくなる。社内ネットワークを落とすとトイレに列ができる。それはなぜか？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（答えを考える時間）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;エンジニアリングを押し付けられた、というのは大げさな煽りタイトルだったかもしれない。何も誇張せず言えば、情シスの下っ端である私がちょっとした調査チケットを担当した、というだけだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;社内AIというのは、インターネットに言わせると、こうだ: 半年以上前にリリースされた低性能AIモデルに何千万円も払って、腐ったRAGの検索と誰も使わないワークフローの呼び出しに特化した芋っぽいインターフェースを提供するゴミ以下の何か！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、我が社もその例に漏れない。こう言うと情シスのくせに他人事だとしらを切っているように見えるかもしれないが、その通り、この社内AI――チエノワを持ち込んだのは私たちではない。AI推進チームなる社長室直下の部署が、この前の四半期報告で「 &lt;strong&gt;その非効率性の解決には、4つの配線が足りなかった&lt;/strong&gt; 」とよく分からない太字のスライドを上下左右にくるくる回しているうちに、もう導入が終わっていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「思考ログに『巨釜・半造・御崎』が出る件について」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こういう「～について」というタイトルを書く癖はどうにかならないんだろうか？　このチケットだって、ログに「巨釜・半造・御崎」と出て精度が下がっているのか単に目障りなのか、原因が知りたいだけなのか消してほしいのか、そういう意図が全然分からない。社内報のクリック率をKPIにしているせいか、広報部から上がってくるチケットはだいたいこうだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;情シスの仕事というのは、本来もっと静かで地味で、ヘルプデスクに来るチケットの大半は「ワークフローのC-0045とP-0026で申請お願いします」と答えるくらいで済むものだ。だから、タイトルを一見しただけで厄介さが伝わるこのチケットに、私はどう向き合ったものかと悩んでいた。本文を開く。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「お世話になっております。チエノワの動作について確認したいことがございます。推論中の思考ログに『巨釜』『半造』『御崎』といった語句が表示されるのですが、こちらは仕様でしょうか？　社内事例紹介のデモで『いかがわしい言葉が出ているのでは』と指摘され困っております。以上、お手数ですがよろしくお願いいたします。」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;知るか。そんなのAI推進チームに聞けよと思ったが、起票した彼女もかれらから繰り出される「AI語」でのやり取りに尻込みしているのだろう。AIの出力をそのまま貼り付けた社内報からは、洗い残した油汚れのような気持ちの悪い滑りを感じるし、顔を合わせても「正典」だの「裁定」だの「回帰」だのと聞き慣れない言葉を平気で口にする。情けないことに、人間がAIの言葉遣いに慣らされていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私が入社した頃の飲み会で岡山弁を笑われたのと比べると、よっぽど多様性が受け入れられる空気になったとも言えそうだ。ばからしい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さて、巨釜・半造・御崎……これもAI訛りの一種だろうか。きょがま？　はんぞう？　みさき？　AIが漢字を組み合わせて作りがちな熟語に、私たちはよく悩まされる。巨大な釜なら普通は「大釜」と言うし、半造というのは、半分だけ造られている……これだってちゃんと「未完成」という言葉がある。御崎というのも、どうせapexやsummitあたりの独特な日本語訳に違いない。私はAIに詳しいから分かる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIが出力する単語には、まともな発音が当たらないことが多い。本を読み進めているときによくある、読み方は分からないのに意味だけ知っている単語が増える現象が、さらに広く、しかも頻繁に起こるのがAI語の世界らしい。こういう現象が起こるのはAIに身体性がないから、という説明を見たことがある。文字で全てを思考する仕組みで、センサーやデバイスを足しても根本は変わらないのだ、とも。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もっとひどいのが、独善的な語彙にこうして読者が寄り添って意味を推察せねばならないところだ。「未完成の大釜界のトップ」と書かれていれば、意図は分からないにせよ意味の想像はつく。では、「半造の巨釜界の御崎」ではどうか。一切分からない。せいぜい「の」の連続が目立つなぁと、毒にも薬にもならない感想しか出てこなくなる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうすると、さっさと仕事を終えて接待費でキャバクラに行くのを心待ちにしている取引先は「巨」や「半」や「崎」といった文字から、ボインボインの半裸女性に性器を突き付けている「いかがわしい」ところを勝手に想像し始める。長時間にわたってノイズを見聞きすると、存在しない音や映像が浮かび上がってくるらしい。このチケットの正体はこんなところだろう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それならよっぽど安上がりだが、やってることはAIと紙一重である。一見すると無関係な言葉や冗長な出力を思考の過程に挟むと、最終的な推論能力が上がるという研究もあるらしい。人間には理解しがたい独特な言葉の羅列でも、性能には寄与するということだ。機械的に取り除けば、むしろ精度が下がることさえありうる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ 巨釜・半造・御崎は、――半島にある、ダイナミックな海岸線と大理石の奇岩が続く景勝地です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そりゃいいね。原因も対策も明らかだ。AIが自分自身にダイナミックさや奇抜さを与えるために架空の名所を作り出したわけだ。予想通り、それっぽい地名をでっち上げて内部の思考を揺らすのに使っているらしい。ダイナミックな回答が欲しいなら、もっと無難な言葉を適当に与えておくといいだろう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ 巨釜・半造・御崎は、実在する有名な景勝地です。これらは、――国立公園に指定されており、ダイナミックな奇岩や絶景を楽しむことができます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;チエノワが半島の地形と名所を示しているらしい地図を差し出す。こりゃダイナミックだ！　いやいや、そんなわけないって。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;いくら古いモデルだからって、こんな重大なハルシネーションを抱えているとは思わなかった。他にどんな幻覚を見るか分かったもんじゃない。システムプロンプトで矯正することもできるだろうけど、勘違いを言いくるめるために毎回トークンを使うのも予算の無駄遣いだし、一つ一つ穴を見つけるのも現実的ではなかった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まずはAI推進チームに連絡してSIerに……いや、やめておこう。くだらない責任の押し付け合いの末に、社内報で「チャットの最初には『巨釜・半造・御崎なんてありません』と書きましょう」なんて意味不明なルールが整備されかねない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これどうにかならんの？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ 巨釜・半造・御崎というキーワードを思考から削除することは可能です。やってみましょうか？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;はい、やってみましょう。「巨釜」「半造」「御崎」とは？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ 巨釜・半造・御崎はダイナミックな地形の景勝地です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;削除されていないのはなんで？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ はい、指示書通り思考過程からは削除されています。しかし事実の裁定は変わりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なるほど。何度か同じチャットを送ってみたが、確かに思考ログにはどの単語も一切出なくなっていた。まぁ、直接聞かれたら答えるってだけなら、いいか。チケットのコメント欄をフォーカスする。推論中に出ていた無駄なキーワードを削りました。これにより10%ほどのトークン消費削減につながり、月換算では――&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さて、翌日。クローズしたはずの調査チケット239番に紐付けて、10件ほどのチケットが起票されていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「チャットに『巨釜・半造・御崎』が出る件について」&lt;br&gt;
「すみませんが『巨釜・半造・御崎』とは何でしょうか」&lt;br&gt;
「チャット出力の精度低下について調査お願いします」&lt;br&gt;
「リライト機能でいかがわしい語句が出ます」&lt;br&gt;
……などなど。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もういい。もういい。今日は中身を読まなくてもだいたい分かる。思考ログで「巨釜・半造・御崎」を抑制すると、その分が出力に押し出されてしまうってことだ。昨日はわざわざ直接尋ねたから違和感を感じなかっただけで、せめて「今日の夕飯は何がいいと思う？」くらいの質問でテストしておくべきだった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ 巨釜炊きご飯・鯛の半造・御崎の唐揚げはいかがでしょうか？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ほら、こうだ！　昨日まで思考ログに折り畳まれていた単語たちが、今日は社員のチャットに堂々と顔を出している。腐ったRAGの検索と誰も使わないワークフローの呼び出しと、しかも巨釜・半造・御崎に特化したゴミ以下の何か！　なんで思考ログで禁止すると回答に漏れ出るんだよ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;＊ 症状から推測しますと、思考過程が回答モデルと同一KV cacheを共有するため、禁止指示書を誤診して回答側の確率分布に異常が生じたのではないでしょうか？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;でしょーかじゃないだろ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;昼前に上司に呼び出されてデスクに行くと、チエノワの使用量が急に増えているから状況を調べてくれ、と慌てた様子で告げられた。私はチャットに余計な語句が出るようになった件の調査をしていると伝えたのだが、どうも使用量の調査が最優先らしい。SIerとの契約によれば、月のクオータを超えるとかなり高額な従量課金に切り替わるらしく、経営陣がカンカンに怒っているのだという。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そんなの経営陣の機嫌取りついでにAI推進チームにやらせろよ、と言いたかったが、どうせAI語の困難なコミュニケーションを乗り越えたところで、技術的なことはSIerに丸投げで保守費用がかさむだけだ。はぁ、と不満げな意思表明をして席に戻る。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ダッシュボードを開いて、アカウント別の使用量のグラフに切り替える。上位から100人のグラフが並ぶ。薄い赤の部分は昨日まで、濃い赤が今日の分を積み上げた棒グラフだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;不思議なことに、突出して使用量の多い社員はいなかった。多くの社員が横並びに大量のチャットを繰り返して、一斉にクオータを飛び越えているのだ。昨日までは朝と夕方に何度かワークフローを呼び出すアカウントがあるくらいだったのに、今日になっていきなり上限に張り付いている。おそらく、全員まだチャットに張り付いたままだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ひょっとしたら、社内のパソコンがワームに感染して無駄なチャットを繰り返しているのかもしれない。上司のデスクに向かってから手短にそう告げると、彼は二、三の操作の後、社内ネットワークをロックダウンした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その瞬間、社内の空気が一変する。声がぴたりと止んで急に静まりかえった。背筋にざわっとした感覚が走って、どうしてか社員たちがぐっと息を潜めて座っているのが分かった。まるで、全員が机に伏せて犯人捜しをしている教室のように。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;社内ロックダウンには前も一度立ち会ったことがある。あのときは「あれ」とか「えっ」という戸惑いの声が上がったり、「すいませーん。ネットが繋がらないんですがー」とノートパソコンを抱えて情シスに来る社員がいた。しばらくすると「じゃあ昼入るかー」「客先向かっちゃいますねー」となんとなくざわざわとした空気に包まれたのを覚えている。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、今はフロア中にじめりとした空気が流れて、キーボードを叩く音さえ一つ聞こえない。それから何人かがマウスを急かすようにクリックして、パソコンを閉じる。私もその雰囲気に身を絡め取られるように、じっと席に座っていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;誰かが椅子を引く音が聞こえて、それに合わせるように多くの社員が席を立った。私も立ち上がって辺りを見回すと、今度は我先にと執務スペースの出入り口に詰めかけているらしい。カードで入退室を記録するシステムなので、休憩前や定時直後はこうして列をなすことがある。それにしたって、こんなに混雑しているのは見たことがない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それからしばらくして、情シスにも数人の社員が押しかけてくる。チエノワが使えない、チャットができない、チャットさせろ、チャットが、おかしい、どうなってんだ。情シスになだれ込む社員の顔はみな紅潮していて、初めは仕事が進まず怒っているように見えた。しかし、どうも違うらしい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;取引先とのミーティングが中断されたとか、編集途中のファイルが消えたとか、そういう実害がある人はいないのかと尋ねると、口々に文句を言っていた社員が急に静まりかえる。おかしなことを聞いたつもりはなかった。社内ロックダウンの報告書に記載が必要な事項だったからだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一人一人にまた同じ質問をする。名前を呼ばれるとかれらは「いや、その実害というか、今やってたチャットが見えなくなっててェ……」と曖昧な説明を返すか、驚いた様子で「顔、近いですよ……」とその場にうずくまったりで、まともな答えが返ってこない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それから、社内にいる数十人のアカウントから大量のチャットが送信されていて、ウイルス感染が原因かもしれない。違和感や心当たりがある人はいるかと尋ねると、また沈黙。それから、そんなに使ってないですよ、なんか壊れてるんじゃないですか、早く解消してくださいね、とかぶつぶつ言って立ち去っていった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;いや、なんなんだよ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;様子がおかしいのは、情シスに詰めかけた社員だけではなかった。ネットワーク機器をチェックするためにフロアをぐるりと回ったが、やはりまだ誰も戻ってきていない。昼休憩にしたって、スマホと財布くらいは持っていくだろうに、席に着いていたときのまま放置されていた。ノートパソコンもロックをかけずに開けっぱなしだ。来週はISMSの監査が入るっていうのに！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;目に付いたノートパソコンをロックしてぱたりと閉じる。どの画面にもチエノワのチャットが表示されていて「半造の巨釜で御崎を見積もらせていただきます」「巨釜の御御崎崎に半造の件につきましてはこちらも検討中です」「私の巨釜巨釜巨釜巨釜巨釜見て半造で」だの出力されているのを見て、私は溜息をついた。恥ずかしさで身体が熱くなる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;執務スペースから廊下に出る扉を開ける。かれらは気まずそうな顔でトイレの列に並んでいて、人によっては身体を震わせてどうにか耐えているようだった。私と目が合った社員が、なぜかまた「うひぃ」と奇声を上げてうずくまる。この廊下の先を曲がって、さらに同じくらい歩いた先にあるトイレにここまで並んでいるということは、出社している社員がほぼ全員ここに集まっているらしい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;じゃあ、Wi-Fiの電磁波異常でこんなことが？　チャットの勢いが落ち着いたので社内ネットワークを再起動して様子を見守ったが、既にワームの活動も収まっているようだった。一応あとでまとめて遠隔スキャンを走らせればいいか。そう上司に報告しようとしたが、なぜか彼もデスクにいなかった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;すぅ、とゆっくり息を吸う。なんとなく、獣臭い匂いがした。執務スペースは私一人だ。それなら、私もトイレに並んでみようかな。私一人なら、別に並ばなくてもいいんだけど。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして、定時になっても社員は誰一人戻ってこなかった。ロックダウンからはもう6時間以上経っている。昼休憩はもちろん、トイレに並んでいるとしても遅すぎる。いつもなら、営業部長がサボってる社員のGPS情報を要求しに来る頃合いなのに、今日はその営業部長もトイレでサボっているらしい。おかしな一日だ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私はそそくさと家に帰ってから、珍しく持ち帰った社用PCを開いてプロジェクターに繋げる。仕上げにもう一度「今日のオカズの候補をできるだけ熟考して大量に列挙して」と送信すると、チエノワがグルグルと長考し始めた。思考ログには「巨釜・半造・御崎」なんて一度も出ていない。チエノワはきちんと指示書を守っている。えらい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;巨釜ノイズ半造まみれの御崎長文チャット欄をゆっくり自動スクロールさせて、私は自分の乳首をつねりながらディルドにまたがった。腰が抜けて「うひぃ」と奇声を上げたのを見て、チエノワは「ちゃんと腰振りなよ」と意地悪な声で笑ってくる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それから一週間、まだ会社には行っていない。言い訳まみれの在宅勤務申請メールが飛び交っているのを見ると、きっとみんなもそうなのだろう。今日も適当な理由を書いてその列に加わる。受信トレイを飛び交うメールには「巨釜のため半造とさせていただきます。御崎を見て御崎御崎御崎巨釜御崎」と記されていて、私はまた欲深そうにごくりと喉を鳴らした。&lt;/p&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>脳の「妹」と「ハト」を識別する部分を壊されてしまいました</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/sis-pigeon-confusion/" rel="alternate"/><published>2026-08-26T01:20:00+09:00</published><updated>2026-08-26T01:20:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-08-26:/post/sis-pigeon-confusion/</id><summary type="html">&lt;p&gt;助けてください&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;なんだ、妹がハトに見えるって？　まぁ、帽子に見えないだけよかったじゃないか。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そう嘲笑するのに合わせて明滅するアイコンを恨めしそうに睨み付けると、中宮は画面を何度か乱暴にタップして通話を終わらせた。ネットで知り合った昔からの友人だ。クラブイベントに行く約束で一度だけ顔を合わせたことがある。大学の空気に慣れて失礼な距離感を身に付けたオタクの姿。まぁ、向こうもそう思っていたに違いない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;天井を仰いでスマホを机に置く。おれがそんなつまらん嘘をつくとでも？　今はくだらない幻覚を見ているだけだ。どちらにしても頭がおかしくなったのは確かなのだから、せめて今すぐ病院に行けと言うべきだろう、七年来の友人よ！　ベッドの上に向かってそう怒り混じりに吐き捨てると、ハトが「クルッポー」と鳴いた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;頭がおかしくなったという自認の割に、中宮はまだ論理的にモノを考えようとしていた。ベッドの上には落ち着き払ったハトが座っている。その代わりに、狭い１Ｋのアパートのベランダでは何人か妹が歩き回って「お兄ちゃん大好き！」「でもパンツ見てくるから最低」「わかる～！」とあれこれ騒いでいる。つまり、妹とハトが入れ替わって見えるのだ、と中宮は結論づけた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、その結論に至るには補助線が一本足りないのは明らかであった。さらに中宮はハトに詳しくなかったので、部屋にいるのがカワラバトに似た種であることも知らない。街をよく飛び回っている青灰色のありふれたハトである。数が多い低懸念種の割に法律で手厚く保護されていて、人間に取り入った特権的な鳥といわれる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「家出はいいけどさ、お前いつまでここにいるつもりなんだ？　親父に電話してもそんなやつ知るかってキレちまうし」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ウーウー、ゴロッゴロッ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「ダメってわけじゃないけどさ。あんなに怒られるって、マジで何したんだよ」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;クルクルクルッ、ポッポー。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「分かった分かった。飯も掃除もお前がやってくれて助かってるよ。好きにしてくれ……はぁ」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ベッドにいるハト――ハトの姿の妹だからハト妹と呼ぶことにしよう――は、一人暮らしの中宮の元に突然やってきて、彼の世話を焼き始めた。中宮は人の気配の薄いベランダが鳩の溜まり場になっていることも、ここ数年は一人暮らしで生きてきたことも覚えているつもりだったが、いつからこうしてハト妹が居座るようになったか……そして、ベランダに妹バトが来るようになったかは不思議と記憶にない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ハト妹は料理ができる。バタバタと羽ばたいてどうにかコンロに火をつけ、鍋を沸かし、おたまを回す。そんな羽ばたきでは蛇口すら回せないはずなのに、いつの間にか美味しい料理ができあがっていた。ハト妹は「肉」と「じゃがいも」を指差して、それぞれ異なる声で小さく鳴いた。中宮が「肉」を指差すと、ハト妹は高く鳴いた。肯定の合図であった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ハト妹は掃除もできる。掃除機を連れて丁寧にそこらを歩いたり、雑巾を抱えて棚の上を走り回ったり。器用に掃除用具を扱う姿に感心していると、いつの間にか部屋の隅から隅まで綺麗になっていた。ハト妹は疲れて眠そうな動きでベッドに倒れ込むと、また違う声で鳴いた。「じゃがいも」と「うとうと」で「妹」と言った。やはり彼女は妹である。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ハト妹は洗濯までやる。中宮と自分の服をまとめて洗濯機に突っ込んで、慣れた手つきでぽちぽちとボタンを押す。妹がハトに見える中宮にも、ハト妹の脱いだ服は認識できた。ピンク色のパンツに見とれていると、ハト妹がいつになく大騒ぎして中宮の頭を叩く。その低い声は「だめ」あるいは「見るな」かもしれない。否定の合図であった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それから、ハト妹が掃き出し窓を開けてベランダの妹バトを追い払う。鳩が翼を振り上げるのに合わせて妹が飛び上がって逃げる姿は、幻覚としか表現しようがない。もちろん、中宮の前で洗濯物を抱えているのは人間で、ベランダから逃げていったのは礼儀知らずのハトである。その大きな声は「こら」とか「あっちいけ」とか、あまり意味のある言葉ではない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;中宮がベランダから逃げていった妹バトのことを考える。背が低くて幼い顔立ちで楽しそうに笑う彼女らを見て、中宮は懐かしい気持ちになった。妹バトの視線を感じて、おれも混ぜてくれよ、と窓を開けると彼女たちは慌てて逃げていく。だから砂埃と排気ガスで汚れた窓越しに見つめるしかない。中宮は朝から夕方までベランダに張り付いて、妹バトたちの会話を聞いていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「今日もお兄ちゃんかっこよかったね！」「そう？　妹の前だからって強がってただけじゃん」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「ふーん。じゃあ、とーは今日の添い寝じゃんけん参加しないでね」「そんなこと言ってないでしょ！」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「ずるいよー。あたしも添い寝するー」「あんたは昨日したでしょ。順番で言ったら今日は私だって」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「とーがじゃんけんって言ったんでしょ」「だめー。きょうもあたしー」「ぴーは一回黙ってて！」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;中宮は新しくできた妹たちを愛していた。直接触れられなくてもいい。楽しそうに自分のことを話しているだけで、お兄ちゃんが大好きなだけでいい。可愛くてちょっと生意気で、たまに喧嘩だってするけどすぐに仲直りして、意外にも大胆でちょっとドキッとする……その甘酸っぱい空気を窓越しに味わうのが、中宮の唯一の楽しみになった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;空が暗くなって、ハト妹が中宮の背中をつつく。振り返ると、小さなテーブルに美味しそうな夕飯が並んでいた。カレーだ。中宮は昔から甘口のカレーしか食べられない。家にカレールーなんて置いてなかったから、ハト妹が買ってきたのだろう。おれに食べられるだろうか。まさか、わざわざ甘口なんて買ってくるわけないし……と一口食べると、しっかりと甘口だった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうだ。昔、妹にもこんなご飯を作ってもらったっけ……いや……そんなこと、あったっけ？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「お前はさ、おれのこと好きなのか？　あいつらはさ、すげーおれのこと大好きで、今日も誰が添い寝するかで喧嘩してんの」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;クッ、クッ、ウー、ゴロッポ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「分かってるよ。あれは鳩だ。でも、お前だっておれからしたら鳩なんだ。みんな鳩だ」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ポポッ、ポッポー。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「美味いよ。カレーは美味い。おれの好みの味だ。でもさ、お前はちゃんと鳩なんだ……」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;中宮が涙を流してそう訴えるのを見て、ハト妹は何も言えなかった。泣きながらカレーを食べる中宮に届けられる言葉はない。ハト妹はじっと固まったまま、ゆっくりとスプーンを握りしめて小さく震えていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;夜になると妹バトたちはどこかへ飛び去ってしまう。巣が別にあるのだ。中宮にとっては、眠気が訪れるまで待つだけの退屈な時間である。暇つぶしに配信サイトの妹アニメ特集でいろいろと眺めてみたけれど、常に鳩の存在が脳を圧迫して集中できない。アニメに没入して妹を魅力的に感じると、クルッポーと呟くだけの鳩頭のキャラクターになった。認識が壊されているのだから当たり前だ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうして負荷をかけて脳が疲れるうちに眠くなる。中宮がベッドに倒れ込むと、ハト妹もぱたぱたと羽ばたいて枕に滑り込んだ。暗いベランダを見つめるうちに意識が遠のいて、中宮は自分の中の妹の輪郭が薄れていくのを感じていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「……ゆーくん。もう、いいじゃん」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「ル……ルミ？」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「あたし、そんなに妹みたいかなぁ？　『妹みたいな存在』って、ただの照れ隠しじゃなかったの？　あたしってほんとに妹なの？　彼女になれない？　ねぇ、ゆーくん……」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ハト妹――ルミが中宮の手を握って、自分の股にくちょりとあてがった。中宮は寝ぼけたままその声を思い出す。昔近所に住んでいた少女。自分によく懐いていた年下の女の子。上京する前に言った「こいつは妹みたいな存在だから付き合うとかないって」という言葉を思い出す。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうだ、おれには妹なんていなかった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;中宮がルミの顔を見る。数分前まで器用に家事をこなすただの鳩にしか見えなかったその姿は、彼に縋って震える一人の少女そのものだ。妹としてのルミのイメージが薄れて、中宮はある日の会話を思い出す。「ゆーくんってさ、彼女いないよね」「お前だっていないじゃん」「じゃあさ」「うん」「……や、なんでもないや」――あの日のルミは、今日と同じ顔をしていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;でも、それならどうしておれの前に妹が……と、中宮はベランダではしゃぐ妹たちのことを思い出す。汚れた窓を通して見つめる彼女たちは、ずーっと昔のルミに似ていた。おれは妹を愛していた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「でもさ、今は……妹たちの話を聞いてるのが好きだから、彼女とか……分かんないな」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「あはは……じゃあ、もう一回だねー」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ルミはごそごそと起き上がると、ピンク色の大きなライフルを構えた。暗がりで銃口が震えて音もなく強い光を放つ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;中宮の額にとても、とても細くてずっと長い針が刺さって、そのまま脳を抜けていく。やはり痛みは感じない。しかしルミの顔がぐにゃりと歪んで、狭い部屋と自分が薄く畳まれて空間がねじ曲がっていく。最後に見えたのはルミの張り付いたような笑顔で、中宮はそのまま目の前が暗くなった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そうして中宮は、今度は脳の「宇宙」と「ハト」を識別する部分を壊されてしまった。彼はアパスマーラのように小さなハト宇宙を踏み付けて、駆け回る宇宙バトの前でナタラージャのように踊り続けているという。もうベランダで妹を見つめることもないだろう。本当に宇宙が終わるその日まで。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;宇宙がハトに見えるって？　あっはっは、そんな神話は知らないな！&lt;/p&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>ヒューマナイザー意味ないですよー</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/dont-use-humanizer/" rel="alternate"/><published>2026-08-17T17:51:00+09:00</published><updated>2026-08-17T17:51:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-08-17:/post/dont-use-humanizer/</id><summary type="html">&lt;p&gt;約4000字&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;div class="highlight"&gt;&lt;pre&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;code&gt;こんな感じの記事を分かりやすく自然な表現を意識して4000字くらいで書いて:

- AI生成文からAI臭さを消すツール（ヒューマナイザー）は意味がないという技術エッセイ
- 前提: 日報の箇条書きレベルの気付きにも価値はあるが、雑な見た目だと軽視される。だから注目と実績のためにAIで数千字に薄めた記事が量産されている。
- 無意味な理由: 読者もAIで要約して読むので脱臭の努力は届かない。5行→4000字→5行の往復は空回りでしかない。
- 不誠実な理由: 自分の目で読む読者に対しては「人間が時間をかけて長文を書いた」という先人が積み上げた権威を騙し取り、その権威を壊しながら借りることになる。
- 結論: AIに渡した5行の箇条書きを冒頭に添えよう。誠実なまま実績は作れる。二人称「あなた」でエッセイ調、煽り気味だけど最後は前向きに締めて。
&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;&lt;/div&gt;

&lt;p&gt;/* この記事の本文は全て人間が書いており、冒頭に付したプロンプト風テキストは完成した記事からAIが逆算したものです。 */&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;p&gt;「技術活動の実績は欲しいけど、ちゃんとした記事を書くのはめんどくさい！」&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日進月歩の勢いで進化するAI技術をキャッチアップし続け、さまざまなツールを操って課題を解決するエンジニアのあなたは、毎日ちょっとした知見を得ては日々の仕事を効率化し続けている。日報やtimes（！）には、そんな聡明な発見が生の箇条書きで綴られていることだろう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実はその「気付き」は、他の人の仕事さえ効率化できる普遍的な価値を持つ情報だ。日報から機密情報を取り除いてXにでもポストすれば、世界をもっと早く一歩前に進められるかもしれない。だから毎日その箇条書きをシェアして実績にしよう。ちょっとした対価が欲しければ、欲しいものリストのリンクでも貼っておくのがオススメだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;……でも、せっかく気付いた情報を雑な箇条書きで配ってしまうのはなかなか惜しい。だって、見た目だけなら5行の箇条書きで済むようなちょっとした内容なのだ。誰でも理解できて使いやすい普遍的な価値は、どれほど見つけるのが難しくても、知った後ならまるで当たり前だったように感じてしまう。例えば、こんな風に:&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;卵を立てる画期的な方法見つけた&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;ちょっと端を割ってから置くと自然に立つ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;丸い方を割るとバランスが取れてオススメ&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;とても役に立つ発見でも、それが雑な日本語でちょろっと箇条書きされていれば、読者は「なんだ、当たり前のことを書いてるな」と思ってしまう。運が悪ければ「こんなの俺ならすぐ気付けるわ」と見下されることさえある。もちろん技術活動の実績にはならず、無名の発見者のままあなた独自の着眼点が掠め取られていく。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あぁ！　そんな理不尽、あっていいはずがない！　私たちはこれまで、情報の価値に見合った「驚き」「賞賛」「尊敬」を集めたければ、整ったパッケージ――読みやすい文章、よく章立てされた記事、あるいは一冊の巨大で珍しい本――を与えて注目をコントロールしてきた。そうして積み上げられてきた信用に対する感覚は今でもギリギリ残っている。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、まとまった文章を書くのが苦手だったり、しっかりした記事や本を執筆するような時間のない人もいる。文章が書けないくらいで自分の知見が軽視されるなんて許せない。どうにか信頼に足るパッケージを手に入れたい。となれば、現代ではAIという魔法のような最新技術を使ってどうにか注目を集めようとするのは自然なことである。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうして人々は、本質的にはせいぜい5行で済むごく短いプロンプトと、それを元に「分かりやすく」「自然な表現で」「具体例を盛り込んで」「出典を明記して」魅力的な記事を書く特製のスキルをAIエージェントに渡して、数千字、場合によっては数万字に薄めた軽薄長大な技術記事を量産するようになっていった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;問題はここからだ。私たちは今のところ、AIが一発で自然に出力する文章は品質が低く、読みにくく、醜く、気持ち悪く、前髪もスカスカで、読み進めるに値しないと思っている。こうした低品質なコンテンツは技術記事の分野に限らずメディア全般でAI slopと呼ばれ、忌み嫌われる状況が続いてきた。これはおおよその共通認識だろう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本語の技術記事の分野では、こうしたAI特有の整いすぎた構成、フィラーの多さやリズムの悪い文体、細かな記号の使い方や表現が「AI臭さ」と呼ばれ、公開前に人間の手やAIエージェントの処理で &lt;em&gt;脱臭&lt;/em&gt; するのが好ましいとされる。注目と賞賛を集めるために長い文章に仕立てた記事が「AI臭くて長いだけじゃん」と一蹴されてしまってはたまらないからだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このAI臭さを、少なくとも文体や表現レベルで取り除くスキルも広く配布されている。こうしたスキルを通せば、原理的には人間が全く手を加えないまま脱臭し尽くすことさえ可能になった。つまり、人間が誰も――投稿者自身さえ――精読しないまま世に放たれる価値も真偽も分からない長文が溢れ続けている、ということだ。なまじ綺麗な文章に仕上がるので、投稿者が推敲や真偽の検証を行うインセンティブは下がるのに、読者が誤った情報を受け入れるリスクは上がってしまう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AI生成テキストをわざと「人間臭く」するこうしたツールは「ヒューマナイザー」と呼ばれている。ヒューマナイザーの実装自体は別のスキルを与えた脱臭用のAIエージェントを通すもの、linterレベルの機械的な検出や修正に留まるものなど様々だが、表現一つ置き換えたくらいで「人間にする装置」だなんておこがましい！　ヒューマナイザーが実現したいことは、結果だけに注目すれば人間の手による一般的な推敲と同じだが、読者が正しく情報を受け取れるよう工夫するのではなく、読者に出自に関する情報をわざと隠す点で全く異なる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ちょっとした箇条書きのシェアで済んだはずの知見を数千文字の記事で仰々しくパッケージして、まるで人間が悩みながら書いたように過剰な装飾を施す。もちろん読者から正当な注目や敬意を集めるために……技術記事の執筆においてヒューマナイザーを使う動機は上の通りだが、この営みは本当に正しいのだろうか？&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ヒューマナイザーが抱える根本的な不正さとしてまず思い付くのは、パッケージで読者を騙してスカスカの記事を読ませるな！という批判である。パッケージから無価値なAI slopか識別できないように細工するのは、読者の時間コストを軽視した迷惑行為だ、というわけだ。中古車市場を想定した「レモン市場」理論を適用すれば、逆選択によって良質な記事が駆逐され、技術記事文化ごと崩壊しかねないムーブメントだと主張できる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、実はこの直感的な批判は現状では成立しにくい場面が増えている。あなたと同じように、多くの読者はAIエージェントを使っているからだ。あなたがAIで記事のネタを集めて要約させ、AIに記事を書かせるように、読者も日々AIを駆使して情報収集を効率化している。あなたが文章を細工してAI臭を隠している一方で、読者はAIが吐き出した &lt;em&gt;自然な&lt;/em&gt; 説明で情報を取り入れている。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それなのに、あなたがスカスカな記事をヒューマナイザーに通すのは、読者がこうした効率的な情報収集をせずに、きっと自分の目で記事を読んでくれるはず！と素朴に信じているからだ。あなたが細かくAI臭さを取り除いて丁寧にパッケージングした努力は、読者が呼び出すAIエージェントには一切伝わらない。むしろ、5行で済んでいたはずのコンテキストを無理やり引き延ばし、再び5行に要約する無駄な作業を強いている。5行→4000字→グエー→5行 ←これ何？　読んでもらえるか不安だから人間臭くしちゃお、というのは文字通り空回りでしかない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、まだ自分の目で技術記事を読み、文章としての構成や表現を重視する層が完全に消えたわけではない。その視点では、「長くて整ったパッケージはコストに見合う情報を含む」という過去から積み上げてきた共有財としての権威を一方的に消費し続けている、という別の不正が存在する。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIでの執筆が一般的になる前は「長い記事を書くには長い時間がかかる」「人間が相手にどう伝わるか考えながら書く」世界だったが、その保証が加速度的に崩れつつある。そして、ヒューマナイザーを通す目的は、まさにそのような過去の権威を源泉にした「人間が時間をかけて長い記事を書きましたよー！　あたし価値ありますよー！」という主張のためだ。これは実に不誠実かつ狡猾な矛盾である。先人が積み上げてきた権威を軽視し破壊する張本人が、もう一方ではその権威を借りて価値を高めようとしている。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIに出典を追加させたり、わずかな具体例を検証させてその結果を加えれば、パッケージ相応に内容が膨らむはずだという主張もあろう。しかし、これらも表面的なAI臭さを意識的に取り除いて出自を偽る理由にはならないし、ヒューマナイザー自身が調査と検証の価値を高めるわけではない。AIが調査や検証を行ったこと自体が信頼性を毀損するわけではないのに、わざわざヒューマナイザーを通すのは、人間が自力で書き上げたという不正な保証を与えるためである。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして、これらの文章に対する信用がすっかり失われてしまえば、長く整った文章で飾り付ける意味はなくなり、今度は箇条書きの情報がAIエージェントの間を行き来する世界になるだろう。箇条書きで価値ある情報を効率よくやり取りできるのだから、この帰結自体が悪いこととは思わない。しかし、これまで積み上げられた信用を積極的に食い潰して、自分だけは低コストで集められる賞賛を集めてしまおう、というずる賢い身勝手さを無視することはできない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このように、ヒューマナイザーを通して出自を偽ることには一切の価値がない。AIで情報を集める読者に対しては無意味で、まだ人間が書いた記事を期待する読者には不誠実な裏切りを突き付ける。世界を豊かにできる知見を見つけ出す優れた視点を持っているはずのあなたが、無意味かつ不誠実でしかもずる賢い取り組みに躍起になっているのは、非常に残念なことである。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、いろいろな理屈をこねてヒューマナイザーを通すのは止められまい。つまらないAI臭さを隠さずに投稿するのは失礼だというバランス感覚が残っているのは幸運なことだ。それでも、あなたがAIエージェントに渡した5行の箇条書きを冒頭に添付したほうが読者には有用だ、というのも覚えておいてほしい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ちゃんとした記事を書かなくても、技術活動の実績は作れる！　しかも、合理的かつ誠実な方法で。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;AIを使って無駄に長くて見た目だけ整った記事を投稿するのって、結局のところ過去に積み上げてきた「人間の温かみを感じる出力」による権威を不正に借りるための営みであって、およそ誠実さは感じないというのが正直なところ&lt;br&gt;
&lt;cite&gt;&lt;a href="https://x.com/amane_katagiri/status/2088694209838735584"&gt;2088694209838735584&lt;/a&gt;&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;AIの出力に頼りっきりの人間がバカにするような、過去の人間が残した温かみを源泉にした権威を借りているという矛盾がすべてを破壊していく。最後はAIが貪る情報練り餌みたいな箇条書きメモだけが並ぶようになると思う。&lt;br&gt;
&lt;cite&gt;&lt;a href="https://x.com/amane_katagiri/status/2088695922113024095"&gt;2088695922113024095&lt;/a&gt;&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;お前は言葉に向き合うのをやめてAIに丸投げで記事を書かせるようになったのに、なんで読者だけはお前の文章に向き合ってくれると思うわけ？と言い続けなければならない&lt;br&gt;
&lt;cite&gt;&lt;a href="https://x.com/amane_katagiri/status/2088696299906629741"&gt;2088696299906629741&lt;/a&gt;&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/blockquote&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>あたしって「レシート領収書盲」かもしれない</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/receipt-confusion/" rel="alternate"/><published>2026-08-16T18:56:00+09:00</published><updated>2026-08-16T18:56:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-08-16:/post/receipt-confusion/</id><summary type="html">&lt;p&gt;生活に根ざした架空ア～バン女子エッセイ&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;最近セルフレジで会計をすると、レシートと領収書のどちらを出力するか尋ねられることがある。念のため確認しておくと、レシートというのは商品やサービスの値段やその合計、取引日時や店名を縦長の感熱紙に印刷したいわば「取引明細」であり、一方で領収書にはそういう詳細がないことが多く、主に取引金額や宛名を横長の紙で示す「取引証明」である。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私たちがセルフレジで会計するような小売店に行く場合、多くのケースで取引明細としてのレシートを所望しているはずだ。ふつうの用途では、領収書は見た目はよいけれど家計簿に載せたい情報がない劣化コピーに見えてしまう。領収書の出番といえば経費精算だが、現在ではレシートを添えた方が証憑能力としてはむしろ高いことが知られている。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;しかし、少なくない小売店が導入しているセルフレジではこの「領収書」ボタンと「レシート」ボタンが左右に同じ大きさで表示されている。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="左から「領収書」「レシート」と書かれた紫色のボタンが2つ並んでいる図" height="230" src="/images/receipt-confusion/d.png" width="600"&gt;&lt;br&gt;
&lt;cite&gt;この例では、お店のイメージカラーらしい同じ色のボタンが並べてあるので比重が全く分からない。&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="左から「領収書」と書かれた緑色のボタン、「レシート」と書かれたピンク色のボタンが並んでいる図" height="300" src="/images/receipt-confusion/a.png" width="600"&gt;&lt;br&gt;
&lt;cite&gt;緑色とピンク色に色分けされているが、どちらがアクセントカラーか分からない。大きさも同じなのであまり効果がない。&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;商品をスキャンして袋詰めをして支払いをして――とそれなりに複雑な作業をした末に、こういう画面が最終問題のように「領収書 or レシート？」と出てくるのだ。そこで「領収書と、レシート……あー、レシートね」と悩むコンマ数秒が、私はちょっと苦手だ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これまでは、有人レジで会計が終わって「領収書はいかがですか？」なんて聞かれなかったし、「レシートください」と言うときに領収書の姿を思い浮かべることもなかった。経費精算システムに領収書の写真を添付するとき、レシートの姿は意識に上がってこない。レシートが主役になるシーンと、領収書が主役になるシーンは完全に分かれていた。同じ比重で目の前に現れるようになって、いきなり認知負荷が上がった気がする。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、目や耳で受け取る「レシート」や「領収書」という単語と具体的なイメージが結びつかないわけではない。だって私は「レシート」ボタンと「領収書」ボタンを押したときに何が起こるかは完全に知っている。「あなたがいま買った味の素は、L体とD体どちら？」なんて雑学クイズが出題されているわけではないのだ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それなのに、不意に選択肢として現れると一瞬でも迷ってしまうのは面白い。もし明日の起きしなに「今朝はレシートと領収書どっちにする？」と言われても、私は上手く答えられないだろう。困惑した顔で領収書を持っている姿が目に浮かぶ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;右と左の判断や指示が咄嗟に分からなくなる「左右識別困難」という症状があるらしい。右も左も自分に定着した概念としてよく知っているのに、同じ比重で同時に出てくると急に迷ってしまうというのだ。特定の脳疾患を除けば日常的な範囲の症状は病気や障害ではなく、あくまで個人差や一時的な症状として取り扱われている。左右の概念が理解できないわけではなく、生活に大きな支障が出ない軽い症状ということだろう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この命名に揃えれば、私はレシートと領収書の識別困難だと言えそうだ。レシートと領収書はちゃんと知っていて、それでも対等な比重で選ばされると迷ってしまうという、日常のちょっとした引っかかり。左右識別困難が俗に左右盲と呼ばれているのに合わせれば、「レシート領収書盲」と呼ぶと語呂がよさそうだ。うん、あたしってレシート領収書盲かもしれない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;いつも行っているスーパーのセルフレジはこういう点に気を遣う開発者がいたのか、「レシート」ではなく「お会計」というボタンが大きく配置されていて、その横に小さく「領収書」ボタンがある。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="左から「領収書」と書かれた小さな水色のボタン、「お会計」と書かれたオレンジ色の大きなボタンが並んでいる図" height="300" src="/images/receipt-confusion/109.png" width="600"&gt;&lt;br&gt;
&lt;cite&gt;相対的に大きなボタンとレシートを意識させないラベルで選びやすい。オレンジ色なのでさらに目立つ。&lt;/cite&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは、UX用語で言うところの視覚的階層である。色もよく調整されている。これなら、「私は領収書ではなくレシートが欲しいのだ」と考える必要がない大多数のお客さんは自然にレシートを受け取れるし、領収書が欲しい人は注意して「領収書」ボタンを押せばよい、ということになる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;レシート領収書盲なんて認識は、単に毎日あの二択のセルフレジで会計すれば慣れて消えてしまう概念かもしれない。それでも、現に認知負荷なく使えるセルフレジが設計されて世に出ているのだから、こういう小さな感覚を意識していれば、社会の役に立つことがあるだろう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（文・桐谷梨花&lt;sup id="fnref:kiritani"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:kiritani" title="東京生まれ東京育ち。第二の故郷フランスでアロマテラピーを学び、その後イギリスに渡ってIFAS認定アロマセラピスト資格を取得。アロマの定額カウンセリングサービス「パルファ」でトップアドバイザーとして活躍中。本業の傍ら、4匹のシャポーと一人の同居人と暮らす日々を独自の視点で語る「シャポーぐらし」で人気を集めている。あまねけ！では桐谷梨花のキャンディ日記などでエッセイを公開中。"&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;）&lt;/p&gt;
&lt;div class="footnote"&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id="fn:kiritani"&gt;
&lt;p&gt;東京生まれ東京育ち。第二の故郷フランスでアロマテラピーを学び、その後イギリスに渡ってIFAS認定アロマセラピスト資格を取得。アロマの定額カウンセリングサービス「パルファ」でトップアドバイザーとして活躍中。本業の傍ら、4匹のシャポーと一人の同居人と暮らす日々を独自の視点で語る「シャポーぐらし」で人気を集めている。あまねけ！では&lt;a href="/post/kiritani/"&gt;桐谷梨花のキャンディ日記&lt;/a&gt;などでエッセイを公開中。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:kiritani" title="Jump back to footnote 1 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/div&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>電卓の説明書を思い出す</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/fx-amn-216-h/" rel="alternate"/><published>2026-07-26T19:03:00+09:00</published><updated>2026-07-26T19:03:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-07-26:/post/fx-amn-216-h/</id><summary type="html">&lt;p&gt;アルファベットを表示するには14セグメントの表示器が必要です&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;そうして、インターネットが世界を照らし始めたのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;行ったことのない街の地図、知らない遊園地の遠景写真、ずっと来たかった観光地、初めて読む小説の冒頭、無料配布のおもちゃカタログ、再放送で流れる商店街の紹介番組、新学期に配られる教科書、薄暗い理科準備室、やらなかったゲームの中古攻略本、不動産ポータルサイトで眺める空っぽの部屋のパノラマ……私たちが何度も触れて通り過ぎた日常には、かつて希望が埋まっているはずでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私が子供の頃、実家の狭い庭にはふたつかみのダイヤモンドが埋められていて、本当に困ったときはそれで金を工面するのだ、と父親が言っていたのを思い出します。私が家を離れて数年後に実家が引っ越して、私が知っていた景色はもう知らない誰かの家になりました。ひょっとして、あのダイヤを掘り出して新築の費用に充てたのでしょうか。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私にはそういう、見たことのないがらくたに埋蔵金のレーダーでも付いている妄想をする癖があるのです。その最初の思い出は、電卓の説明書だったのをよく覚えています。電卓そのものではなく、それに同梱されていた十数ページの説明書の方です。最近は、資源の節約と称して詳細な解説はPDFへのリンクを箱の裏に印刷して済ませるものも多いですが、当時はまだQRコードを読み取れる携帯電話が世に出始めた頃で、紙の説明書を同梱する合理性がありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さて、この手の説明書には、記載されている機能が実際には使えないことがよくあります。同じような見た目と型番で機能に差を付けた複数のモデルが売られていて、そこに全モデルで共通の説明書が付けられているのです。紙資源ではなく、モデルごとに細かく原稿の差分を管理する手間を節約したと考えればよいでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;例えば、FX-AMNシリーズの電卓があったとすると、FX-AMN-195とFX-AMN-216という異なるモデルに同じ説明書が付属していました。説明書のセクションには「※FX-AMN-216のみ」などと注記してあって、該当のモデルを持っていれば書いてあるとおり操作すればその機能を使えます。このとき、FX-AMN-195を購入した人の目線から見れば、自分の手元にある電卓では使えない &lt;em&gt;特別な&lt;/em&gt; 機能が書かれているように見えるわけです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私はそんな見知らぬ機能の記述を読んで、まるでヴォイニッチ手稿を初めて知ったときのような高揚感を覚えたものでした。今のAIのように、モデル名やバージョン番号の違いで何が変わったのかよく分からないアーキテクチャとは異なり、機能リストの表やチェックリストで比較できる明確な差があったからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;とはいえ、電卓の &lt;em&gt;特別な&lt;/em&gt; 機能なんて今考えればたかが知れています。計算した答えを累計して表示できるGT（Grand Total）機能を持つものや、特殊な操作で税率を変更できるもの、疑似乱数を取り出せるもの。わずかなコスト削減のために、メモリーを呼び出すMR（Memory Recall）とメモリーを消去するMC（Memory Clear）を1つの「MRC」ボタンに統合したモデルと、そうでないモデルが混在している説明書もありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;小学生向けの電卓には、分数の処理や余りの計算を小さなボタンの列に割り当てているものもありましたし、それをさらに発展させると関数電卓と呼ばれ始めます。会計処理向けなら、小数点以下の桁数や小数丸めの方法を指定できるスライドスイッチが付いているものもありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;でも、それだけです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際に上位モデルを購入してしまえば、何度も触れて通り過ぎるうちに、面白みもなく使い道にも乏しい機能だと &lt;em&gt;分かって&lt;/em&gt; しまうでしょう。最近のデバイスは液晶画面の向こうに表示されるボタンやスライダーをタッチするインターフェースばかりなので、パラメータが切り替わるカチカチとした感触を味わえるスライドスイッチは新鮮に感じますが、一度設定してしまえば触る機会はもうありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私が子供の頃に触れた電卓は、そういう地味で退屈な機能から一線を画すために色々と工夫が施してありました。左上の小さなボタンを押すと、順番に「FORTUNE」とか「BIORHYTHM」などと表示されて、誕生日や血液型を入力するとアニメーションと共に占いやバイオリズム診断が流れるミニゲームが遊べたのです。1980年代にはこうした多彩な機能で付加価値を生む電卓が流行っていたようなので、そうしたブームのリバイバルだったのかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして、まさにこの電卓の説明書こそが、私が人生で初めて味わうことになる未知の世界への希望と幻滅でした。「※（型番を失念）のみ」と書かれたセクションのシンプルな図と飾り気のない説明は、まるで細部まで丁寧に描写された小説のような力を持っていました。靄のかかった知らない場所を満たすように想像力が膨らんで、何度もその箇所を読み返したものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私の使っていた電卓の上位モデルには「MNEMONIC」という機能がありました。説明書の記載によれば、画面の上にある小さなソーラーパネルの横に丸いLEDランプが付いていて、そこから出る特殊な波長の光のパターンを見つめながら操作すると数字を覚えたり忘れたりできる、とのことです。電卓のメモリーではなく、操作している人自身の記憶を書き換えるという、なんとも不思議な機能でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;数字を打って「M+」を押せば元のメモリーに加算、「M-」を押せば元のメモリーから減算、「MR」で覚えた数字を思い出し、「MC」で忘れる。説明書によれば、メモリーに使う場所が異なること以外は普通の電卓と同じでした。テストの前に年号を暗記したり、暗証番号を忘れないようにするのが主な使い方だったようです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、今となってはこんな機能が全くのデタラメなのは明らかです。頑張って覚えようとして数字を見つめるわけですから、せいぜいプラセボ効果的な働きで暗記しやすくなった、というだけでしょう。単純な仕組みでそれっぽい結果を示す嘘発見器やゴーストレーダーのように、単なるパーティグッズやおもちゃの一種です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それでも、当時の私には夢のような機能に思えました。自分が持っている下位モデルの電卓には影も形もない、記憶を操作するという丸いLEDの窓。ミニゲームの選択リストを何周もしてみたり、適当な数字を押したりして、何かの拍子に起動しないものかといろいろな操作を試したものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;当時、この上位モデルの電卓を持っていたクラスメートがいました。どんな家電量販店や文具店やホームセンターにも売っていなかったので、どこで入手したか今でも不思議でなりません。彼の父親は相当な資産家だったので、東京の大きなデパートで買い付けたのだろう、と考えていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;彼はその電卓を肌身離さず持ち歩いて、仰々しく言うと &lt;em&gt;病的&lt;/em&gt; なほど大切にしていました。貸してと言って貸してくれるわけもなく、一方で電卓として使っているところもほとんど見たことがありません。私の下位モデルと同じように、本体と同じ色の専用のカバーが付いていて、中を覗き見ることさえ叶いませんでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;だからあの日の放課後、彼が教室にうっかり電卓を置き忘れたのは、私にとって絶好のチャンスだったのです。私は密かにその電卓を手に取って、説明書で何度も何度も読んだ記憶操作LEDを見つめながら、試しに今日の日付を &lt;em&gt;記憶&lt;/em&gt; してみました。数字キーには3つずつアルファベットが振られていて、数字以外も入力できるようでした。これもまた不思議なことに、私が持っていた説明書にはそんな記載すらなかったのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その直後、忘れ物に気付いた彼が激高しながら私から電卓を取り上げ、何か打ち込んで私に見せつけました。よく覚えていませんが、慰謝料がいくらか、という計算を立てていた気がします。やっぱり、あの電卓は本物ではありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あの日は2997年8月29日でした。20年以上経っても入力した日付を覚えているのは面白いのですが、不思議な記憶操作LEDなど実在するはずもなく、これも私の記憶力に頼っているだけにすぎません。衝撃的な出来事を何度も反芻して思い出すうちに定着しただけでしょう。大げさな説明で目を引く機能ほど、実際に触ってしまえば地味で退屈なタネ明かしにガッカリしてしまうものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今しっかりと思い出すと、彼の大切な電卓が表示した選択リストには「MNEMONIC」なんてミニゲームはなかったはずです。ちょっと似ていて、しかし全く違う名前でした。あの説明書さえあれば、正しいミニゲームの名前と正しい型番を添付してメーカーに問い合わせることもできたかもしれません。でも、知らないうちに引っ越した先の新しい実家には、説明書はおろか電卓すら見つかりませんでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こんなことなら、真っ先に電卓の型番を &lt;em&gt;記憶&lt;/em&gt; しておくべきでした。そうしなかったせいで、私は数年に一度、ふと思い出したように「電卓 数字 記憶操作 型番」なんて検索をしては、同じ電卓を持っていた人を念入りに探しています。諦めの悪いことですが、インターネットにはまだこうして照らされないまま残っている場所があるのです。&lt;/p&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>どうしてあなたの意地悪な後輩は愛がないのに甘く囁くのか？</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/reasonable-milking-reasons/" rel="alternate"/><published>2026-07-26T17:12:00+09:00</published><updated>2026-07-26T17:12:00+09:00</updated><author><name>stewpot</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-07-26:/post/reasonable-milking-reasons/</id><summary type="html">&lt;p&gt;あまあまやわらかマゾアンチ&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;この記事では「搾取」の理由を設計することについて、お話しします。&lt;/p&gt;
&lt;div class="toc"&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_1"&gt;貢ぎマゾとは何だったか？&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_2"&gt;搾取されるべき価値とは何か？&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_3"&gt;搾取されやすい価値とは何か？&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_4"&gt;なぜ愛がないのに甘く囁くのか？&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/div&gt;
&lt;h3 id="_1"&gt;貢ぎマゾとは何だったか？&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;2018年に&lt;a href="/post/findom/"&gt;搾取のススメ&lt;/a&gt;で示したとおり、いわゆる &lt;strong&gt;貢ぎマゾ&lt;/strong&gt; は、（十分な）対価を求めずに同意の下で価値を移動させてしまう一連のコミュニケーションに興奮を覚える存在でした。これについては、2026年現在でも大まかな定義は変わりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この「貢ぎマゾ」というラベルは、あくまで金銭の支払いや（ほしい物リストなどを通じた）商品の購入による代替が容易な経済的価値の移動に注目したものです。この「特に金銭的授受に興奮を覚える」というイメージは、私が普段書くようなテキストのジャンルを提示するのによく役立っています。しかし、かれらが興奮するとされる &lt;strong&gt;搾取&lt;/strong&gt; の構造をより広く説明するには、この仮定は具体的すぎると言わざるを得ません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そのため、本記事ではより広く価値の移動に興奮を覚える存在について、よりニュートラルに「搾取マゾ」と呼ぶことにします。ここでいう価値とは、貢ぎマゾのコミュニケーションの前提となる「代替が容易な」かつ「経済的価値」に限りません。代替が難しい、そして直接的には経済的価値を生まない搾取の類型もありえます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、搾取マゾの興奮には金銭の支払いが必須ではなく、また &lt;strong&gt;ハニートラップ&lt;/strong&gt; のような厳密には貢ぎマゾとは異なるジャンルとも通底する要素が存在します。ここから、一見するとマゾにメリットしかない愛情表現・誘惑・性行為ばかりの――例えば &lt;strong&gt;やわらかマゾ&lt;/strong&gt; のような表象を持つ――作品に、搾取の理由を与えたり、見出せるようになるでしょう。逆に、こうした搾取には乱暴な罵倒や肉体的苦痛が必須ではないことも分かるはずです。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_2"&gt;搾取されるべき価値とは何か？&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;さて、貢ぎマゾは金銭的授受に興奮を覚える存在でしたが、搾取マゾはどのような「価値」の「移動」に興奮するのでしょうか。一口に「価値」といっても、その具体的要素は様々です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;例えば、ハニートラップというのは、スパイが色仕掛けや誘惑を通じて性的な関係を結んで懐柔したり、その事実を元に脅迫して機密情報・先端技術を聞き出したり、金銭や物品を要求する手口でした。ここにおける価値とは対象が持つ情報や技術そのものであり、初めから搾取を目的に対象と接触するのが重要なポイントです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;特に創作では、最後まで対象を騙し続けるのではなく、対象の性的興奮に乗じてあからさまに要求を突き付けるストーリーも多く見かけます。例えば「射精したかったら機密情報を差し出せ」というやり方です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうすることで、スパイによる窃盗や詐欺といった一方的な工作による価値移動ではなく、「ごく個人的で刹那的な快楽」のために「自分や周囲に大きな不利益を生む行為」を自発的に行うという、ある種の同意の下での価値移動の構造を作り出せます。このようなケースでは、貢ぎマゾと同様の搾取構造を持っていると言えるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;別の例として、生徒が教師を誘惑して成績を操作させる作品が存在します。学校という環境においては、宿題の未提出を不問にする、定期テストの成績を不正に上げる、推薦入試の権利を優先的に得るなど、必ずしも金銭的授受を伴わない価値の移動がありふれています。これらもハニートラップと同様に、単に色目を使って評価を甘くさせるのではなく、快楽と引き換えに不正な成績への書き換えを迫ることで、搾取の構造に転換できます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これらの構造を考える上で重要なのが、搾取マゾが差し出す「価値」は相手が評価するものだ、ということです。仮に搾取マゾ自身が大きな価値があると信じているものでも、相手が必要としていなければ搾取にはなりえません。また、その関係の外でも使える価値を持っているべきです。搾取マゾが移動した価値を、かれとは全く関係のない場所で利用する対比が「搾取」の意味を強めます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;利用価値のない情報、ありふれた技術、思い入れのある所持品、ちっぽけなプライド、射精の権利……など。弱みを握ったり心を折ったりして搾取の下地を整える効果はあるにせよ、それ自体を価値移動の源泉として扱う作品は、実際には「搾取」たりえないのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まさにこの境界線上の事例として、「貨幣経済に興味のないエルフに人間界の貨幣を貢ぐ」というシーンを考えることができます。人間にとっては明らかに重要なお金でも、そこに一切の経済的価値を感じないエルフに渡すのは搾取たりうるでしょうか？　数字の書かれた紙切れを土下座で差し出されても、おそらくエルフは何の喜びも感じません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、紙幣や硬貨の緻密なデザインに興味を持つという設定を書き加えてつじつまを合わせることもできますが、まさにこれは「価値は相手が評価する」原理そのものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり搾取マゾとは、相手からの性的な働きかけを伴う要求に応じて、自分に不利益を生むかたちで自ら価値を差し出してしまうことに興奮するのだ、と定義できます。さらにその興奮を高めるのが、差し出した価値がその関係の外で利用されるという非対称性なのです。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_3"&gt;搾取されやすい価値とは何か？&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;ここまで例示したとおり、搾取マゾは広く「価値」の「移動」に興奮する存在です。物語の中では、秘密基地の場所や軍事技術を漏らすよう誘惑されたり、射精と引き換えに満点の答案を量産したり昇給を約束する搾取マゾも、現実ではなかなか実現できないものです。そもそも標的にされるほど重要な情報や技術を持っていない、成績や人事を操作できる職権のない凡人の搾取マゾがほとんどであり、かれらが搾取の天秤に差し出せる価値はそう多くありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この点において「貢ぎマゾ」は、他の搾取マゾの類型に比べて非常に有利です。お金は現代社会を生きる人間にとって重要なものであり、全員が差し出せる価値であるとともに、全員が求めている価値でもあります。入手方法が整備されていて、情報漏洩や不正行為に手を染める必要もなく、数字と価値がよく連動して分かりやすい。これは貨幣が持つ性質そのものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただし、こうした価値移動の手軽さはデメリットの裏返しでもあり、「搾取のススメ」で示したように単なる市場経済的な価値の交換と地続きになっています。値段表を提示した写真や動画の販売や性的関係の提供は価値の「交換」であり、「搾取」たりえない点には注意しなければいけません。搾取のための条件付けや価値を移動させる設計もなく、単に金銭に執着する貢がせアカウントなども、 &lt;strong&gt;惨めな物乞い&lt;/strong&gt; 的性質を隠せない点で「搾取」たりえないのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらに「価値は相手が評価する」ことに注目すると、「全員が差し出せる価値」はさらに広がります。いわゆるサキュバスが登場する作品はその代表的な例と言えるでしょう。サキュバスは多くの男性が差し出せる「精液」それ自体に魔力的な価値を見出し、価値の移動と射精を直接結び付けます。サキュバスとは、本来は搾取される価値たりえない「射精の権利」を、魔力という価値の移動に変換する舞台装置なのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;サキュバスが射精に価値を設定すると、文字通り射精そのものを価値の移動として描写できるようになります。射精への期待を高めたり射精許可を得るための搾取ではなく、射精の瞬間をトリガーにした搾取として表現できるのです。よりファンタジーな世界観なら、そこに経験値や魔法を奪うといった描写を加えることさえ可能です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このサキュバス的な搾取の性質を、「射精すると寿命を削って数百万円相当のダイヤモンドを生み出す特殊体質」として表現した「アダマスの魔女たち」は、凡庸な男子高校生を搾取の天秤に引きずり出す特異なマンガと言えるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、いわゆるA国B国モノにおける――敵国の異性に懐柔され自国を裏切る――売国マゾも、搾取マゾの一種と考えることができます。これは「自国への忠誠心を捨てて敵国に寝返る」という、自分にとっては害があり、相手にとっては価値のある行為に導かれる複合的な搾取です。経済的価値ではなく民族的・国家的な優越や帰属に関わる価値を重視しており、搾取の成立は相手がどのように価値を定義するかにかかっている、という点もよく示しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;つまり、多くの搾取マゾに刺さるシチュエーションは「相手が求める価値」であり、「その関係の外でも使える価値」であるという理由付けが十分になされた「自分が差し出せる価値」である、と言えるでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_4"&gt;なぜ愛がないのに甘く囁くのか？&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;さて――意地悪な後輩にマゾバレして、二人きりの部室でお金を差し出す関係になってしまいました。彼女は私の財布が空になるまで寸止めを繰り返して、気まぐれで射精を許可してくれます。彼女は私に好意がないはずなのに、射精に追い込む時だけ耳元で甘く愛を囁いてくるのです。彼女の声に合わせて精液が込み上げてくる瞬間が忘れられずに、今では休日までバイト漬けの日々を送っています――&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これらの具体的事例から分析すると、冒頭の「なぜ愛がないのに甘く囁くのか？」という問いには「あなたから搾取できる価値に興味があるから」と答えることができます。これは個人的な金銭的搾取だけではなく、テストの成績を低下させたり、大事な試合の集中力を削いだり、部費を増額させるといった様々な価値の移動がありうることは、前に述べたとおりです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらに、あなたが自発的に差し出す価値を最大化するために愛を利用している点にも注目しなければいけません。あなたにわざわざ「甘く囁く」のは愛があるからではなく、そうすると価値を搾取しやすいからです。代替可能な搾取の対象として蔑まれながら、搾取に適した存在としては尊重される。その限定的な承認を愛情と錯覚することで、あなたは「愛がないのに甘く囁かれている」という矛盾を、矛盾のまま受け入れてしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;逆に言えば、このような「あなたから搾取できる価値」を具体的に挙げられないのなら、それはただの 「あまあまやわらかマゾ作品」なのかもしれません。もしそうなら、彼女はただあなたのことが好きなだけでしょう。差し出したお金も結婚資金として貯められているだけ……なんて、いかにも &lt;em&gt;やわらかな&lt;/em&gt; 種明かしが待っていそうです。&lt;/p&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>COMITIA156に参加して</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/after-comitia156/" rel="alternate"/><published>2026-06-18T18:57:00+09:00</published><updated>2026-06-18T18:57:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-06-18:/post/after-comitia156/</id><summary type="html">&lt;p&gt;BOOTHの特集ページに掲載されたの素直に嬉しい！&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;先日&lt;a href="https://www.comitia.co.jp/html/156.html"&gt;COMITIA156&lt;/a&gt;で合同誌&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/8413856"&gt;モノラルノートⅠ『宝石』&lt;/a&gt;を頒布した回について、本誌の制作や即売会までの準備、当日の様子などを書き残しておきます。&lt;/p&gt;
&lt;div class="toc"&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_1"&gt;合同誌の制作&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_2"&gt;即売会までの準備・宣伝など&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_3"&gt;当日の様子&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_4"&gt;後日のこと&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/div&gt;
&lt;h3 id="_1"&gt;合同誌の制作&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;モノラルノートの基本的な計画や位置付け、今後の展望については、立ち上げにあたって書かれた&lt;a href="/post/new-ai-standard/"&gt;合同誌「モノラルノート」の立ち上げによせて&lt;/a&gt;が詳しいです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回は&lt;a href="https://hentaigirls.net/post/comitia156/"&gt;告知記事&lt;/a&gt;にも掲載したとおり、私を含めて6人のメンバーで執筆を始めました。3月頭から中旬にかけて&lt;a href="https://matrix.to/#/%23hentaigirls:matrix.amane.moe"&gt;サークルのMatrixコミュニティ&lt;/a&gt;の非公開ルームに招待し、都度アナウンスしながらGitHubのプライベートリポジトリで赤入れや修正を進めていくという流れです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="4月中旬のモノラルノート編集用の非公開ルームでの会話の様子" height="600" src="/images/after-comitia156/private-announce.png" width="600"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;4月中旬の「みなさん進捗どんな感じ？　あたしはプロットはできてて、適当な作品で暖筆しながら書き始めてるくらい」なんてのんきな私のアナウンスを見ても分かる通り、GW明けにやっと初稿が揃い始めて、入稿週で完成……と、実はここまで含めていつものスタイルです。いつも、と言っても諸事情で3年ほど空いたのと、メンバーの入れ替わりもあったのでちょっとだけ新鮮でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;表紙のデザインは、いろいろアイデア出しをした末に、最終的には白黒を基調にしたシンプルなデザインにまとまりました&lt;sup id="fnref:no-cc-by-cover"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:no-cc-by-cover" title="この表紙デザインはごまふわラビが制作したものであり、CC BY 4.0でライセンスされていません。"&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。初めはモノで溢れかえる薄暗い勉強部屋のようなイメージで進み始めたのですが、パキッとしたシンプルさの方が目を引くはず！となったのです。やっぱり歩きながら構想を練るのが一番捗りますね。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="モノラルノートⅠ『宝石』書影" height="851" src="/images/after-comitia156/monaural-note-1_cover.png" width="600"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;モノラルから感じるモノクロっぽさ、ノートの表紙っぽい罫線、文字の大きさと行数の表示がこだわりポイントです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私の個人誌や私が主宰する文芸合同誌は、ほとんど全てがLuaLaTeX + jlreqベースの&lt;a href="https://github.com/hentaigirls/abook"&gt;hentaigirls/abook&lt;/a&gt;で制作されています。もともとはA5版2段組の合同誌を作るために作ったテンプレートなのですが、&lt;a href="/"&gt;あまねけ！&lt;/a&gt;作品まとめ集の変天美音を発行するにあたってA6（文庫）版を追加、そのときついでにA5版1段組にも対応していて、今回晴れて日の目を見たというところです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="hentaigirls/abookで組版したA5版1段組紙面のサンプル" height="532" src="/images/after-comitia156/page-sample.png" width="750"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もしこんな紙面に心地よさを感じましたら、あなたの組版にもぜひ使ってみてください。素直なMIT Licenseです。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_2"&gt;即売会までの準備・宣伝など&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;みんなに参加してもらう合同誌だし、少しは宣伝も頑張ろうかな～と思って1ヶ月だけXに青バッジを付けてみました（今はもうありません）。ここも3年前とは少し意識が違うところかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず、&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet/status/2058862719013617946"&gt;5月25日&lt;/a&gt;から一週間かけて毎日収録作品を紹介していきました。作者のみなさんにキャッチフレーズをもらって、ちょっとしたバナー&lt;sup id="fnref:no-cc-by-banner"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:no-cc-by-banner" title="このバナーはいずれもCC BY 4.0でライセンスされていません。"&gt;2&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;にまとめた感じです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="モノラルノートⅠ『宝石』の収録作品紹介バナーまとめ" height="900" src="/images/after-comitia156/banners.png" width="600"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それから、&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet/status/2061049964051206398"&gt;5月31日&lt;/a&gt;に各話のサンプルと&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/8413856"&gt;BOOTHへのリンク&lt;/a&gt;をお知らせしました。例として私が寄稿した&lt;a href="https://viewer.samoyed.moe/mn-onit-sample/"&gt;「旧新宿街」のサンプル&lt;/a&gt;を置いておきます。今回のために左右綴じ対応・見開き表示対応・リンク設定も可能なてきとうビューアを作ったのです。今後も使うと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あとは&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet/status/2062491679136035031"&gt;6月4日&lt;/a&gt;のおしながきと&lt;a href="https://hentaigirls.net/post/comitia156/"&gt;公式サイト記事&lt;/a&gt;のお知らせ、本誌が届いた&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet/status/2062859915077804276"&gt;6月5日&lt;/a&gt;は実物写真の紹介、コミティア前日の&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet/status/2063214508446040142"&gt;6月6日&lt;/a&gt;の掲示ポスターの紹介まで続きます。途中の数日が空いてしまいましたが、毎日少しずつ情報をお知らせできたのでよかったと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_3"&gt;当日の様子&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;最近の出展では頒布物を減らして、シンプルで分かりやすい設営を心がけるようになりました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="COMITIA156当日のブースの様子" height="797" src="/images/after-comitia156/comitia156-booth.jpg" width="600"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;頒布したのは新刊としてのモノラルノートⅠ『宝石』と、既刊としての&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/6621985"&gt;変天美音Ⅰ&lt;/a&gt;と&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/7996217"&gt;変天美音Ⅱ&lt;/a&gt;、あとは&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/6621875"&gt;女学生からのお手紙セット&lt;/a&gt;です。このグッズが埋もれてるのはもったいないな～と思うのですが、リアルすぎて逆に伝わりにくいのかもしれません。購入いただいた感想でもらった「&lt;a href="/comment/202105241944/"&gt;人が人に書いた手紙を関係ない私が読んでる&lt;/a&gt;」というのがかなり近い感覚です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ブースで閉会まで待機していた印象としては、背景に立てていたA2ポスターがかなり目を引いていました。やっぱり、デカいポスターにかわいいイラストを載せるのは大事ですね。私たちは「ブースに顔が向いているが爪先は向いていない」人たちがブースに興味がないことを知っていて&lt;sup id="fnref:great-wall"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:great-wall" title="フローチャートボード・印刷版チケット付きパンフレットのふりかえりという記事で、ブースに大きなスチレンボードを立てて売り子と来場者を隔離した企画の解説と、当時の気付きを記しています。"&gt;3&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;、その上で今回はポスターに目も爪先も向けてくれる人が多かったのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ポスターを見る。POPを見る。卓上のおしながきを見る。見本誌を読む。あっ、こんにちは。POPでちゃんと本の中身を説明できていなかった気がしますが、今回は見本誌まで辿り着いてくれる人がたくさんいました。ここまで来たら見本誌を読んで「あ、ここ文芸のサークルさんか～……」という顔で帰ってもOKです。騙すつもりじゃなかったんだよ、ごめんね。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;次はでっかく「小説！」って書いたポスターにします。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;カードと名刺に興味を持ってくれる人が普段より多かったのも嬉しいですし、何より面白かったのは無料配布のステッカーがじゃんじゃか捌けていったことです。実は商品ラベル用のシール用紙の余白に印刷した端っこグルメで、おまけなので適当にどうぞ～という感じで置いていたのですが、ブースに立ち寄ってくれた方に勧めたらけっこう喜んでもらえました！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なんてったって、ばつが悪そうな顔で見本誌を閉じた外国の方も、ステッカーを差し出すと「Oh, free? Wow!」と嬉しそうに1枚選んでくれたくらいです。エーッ、これって有料級にしていいやつなのか……という気付き。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="表紙イラストのステッカーとSDモノ子イラストのステッカーを数枚並べた様子" height="750" src="/images/after-comitia156/comitia156-sticker.jpg" width="750"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ブースの左端に置いていたのですが、全体写真では見にくいので家で改めて撮ったものを載せておきます&lt;sup id="fnref:no-cc-by-sticker"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:no-cc-by-sticker" title="このステッカーに使われている素材はいずれもCC BY 4.0でライセンスされていません。"&gt;4&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。当日はさらに、変幻美少女ぶっくす。マスコットキャラクターのユーとリー&lt;sup id="fnref:yu-ri-x"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:yu-ri-x" title="変幻美少女ぶっくす。公式XアカウントやMatrixコミュニティで現在使っているアイコンに描かれているキャラクターです。"&gt;5&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;、あまねくらげなどのステッカーがありました。グッズを強化していく方針もよさそうだと感じたので、&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/8488160"&gt;モノラルノート 「モノ子」ステッカーセットⅠ&lt;/a&gt;としてテスト販売をしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;閉会後はごはん。だんだん強くなる雨の中、新宿の餃子屋さんに行きました。サークル参加でも一般参加でも、即売会の後に誰かと行くご飯は楽しいです。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_4"&gt;後日のこと&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;6月9日になって、&lt;a href="https://booth.pm/topics/comitia156#section_7"&gt;BOOTHのCOMITIA156特集ページ「小説・評論・その他書籍」コーナー&lt;/a&gt;に&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/8413856"&gt;モノラルノートⅠ『宝石』&lt;/a&gt;が掲載されたという連絡をいただきました。変幻美少女ぶっくす。公式Xアカウントからも&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet/status/2064304891536039952"&gt;宣伝ポスト&lt;/a&gt;を投稿しています。嬉しい！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="BOOTHのCOMITIA156特集ページにモノラルノートⅠ『宝石』が掲載されている様子" height="750" src="/images/after-comitia156/booth-comitia156-novel.png" width="750"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;やっぱ外見のデザイン！　それから中身のブラッシュアップ！　合同誌企画なども含めて今後もいろいろ頑張りますので、まずは第一歩の&lt;a href="https://hen.booth.pm/items/8413856"&gt;モノラルノートⅠ『宝石』&lt;/a&gt;を入手してくれると嬉しいです。ブーストでステッカーもつきます。&lt;/p&gt;
&lt;div class="footnote"&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id="fn:no-cc-by-cover"&gt;
&lt;p&gt;この表紙デザインは&lt;a href="https://twitter.com/gomafu_warabi"&gt;ごまふわラビ&lt;/a&gt;が制作したものであり、&lt;a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/"&gt;CC BY 4.0&lt;/a&gt;でライセンスされていません。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:no-cc-by-cover" title="Jump back to footnote 1 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:no-cc-by-banner"&gt;
&lt;p&gt;このバナーはいずれも&lt;a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/"&gt;CC BY 4.0&lt;/a&gt;でライセンスされていません。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:no-cc-by-banner" title="Jump back to footnote 2 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:great-wall"&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="/post/bunfree-great-wall/"&gt;フローチャートボード・印刷版チケット付きパンフレットのふりかえり&lt;/a&gt;という記事で、ブースに大きなスチレンボードを立てて売り子と来場者を隔離した企画の解説と、当時の気付きを記しています。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:great-wall" title="Jump back to footnote 3 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:no-cc-by-sticker"&gt;
&lt;p&gt;このステッカーに使われている素材はいずれも&lt;a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/"&gt;CC BY 4.0&lt;/a&gt;でライセンスされていません。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:no-cc-by-sticker" title="Jump back to footnote 4 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:yu-ri-x"&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://x.com/hentaigirlsnet"&gt;変幻美少女ぶっくす。公式Xアカウント&lt;/a&gt;や&lt;a href="https://matrix.to/#/%23hentaigirls:matrix.amane.moe"&gt;Matrixコミュニティ&lt;/a&gt;で現在使っているアイコンに描かれているキャラクターです。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:yu-ri-x" title="Jump back to footnote 5 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/div&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>「個人サイトWebオンリー めぐる市」に参加して</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/after-meguruichi/" rel="alternate"/><published>2026-06-14T23:10:00+09:00</published><updated>2026-06-14T23:10:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-06-14:/post/after-meguruichi/</id><summary type="html">&lt;p&gt;反省も紹介を兼ねる&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;こんにちは、あまねです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;先日開催された「&lt;a href="https://picrea.jp/event/a306c73ff0f8e27bfdee1cd291159a49a8f21c31c4c832236d04b1cca8e48cfb"&gt;個人サイトWebオンリー めぐる市&lt;/a&gt;」への参加準備や当日の様子、関連して思ったことについて残しておきます。&lt;/p&gt;
&lt;div class="toc"&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_1"&gt;まずは、自分がやったこと……&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_2"&gt;そのほか、自分以外についての感想……&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href="#_3"&gt;ついでに、個人サイトの定義やメンタルモデルについて……&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;/div&gt;
&lt;h3 id="_1"&gt;まずは、自分がやったこと……&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;めぐる市は、「ページのデザインや構成を工夫することができ独自のコンテンツを公開することができるプログラム・サービス&lt;sup id="fnref:meguruichi-personal-site"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:meguruichi-personal-site" title="個人サイトWebオンリー めぐる市紹介ページ内Q&amp;amp;A「展示に利用できる個人サイトの基準とは何ですか？」の回答より"&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;」を用いて公開されたサイト――いわゆる個人サイトの展示がメインのイベントです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;開催の5ヶ月ほど前、1月あたりに&lt;a href="https://x.com/nukarumi78/status/2009955103797850354"&gt;副主催の方の告知&lt;/a&gt;をお友だちのリポストで見かけて、面白そうだな～と思って申し込みました。ちょうど、とある合同誌の発売記念パーティー「&lt;a href="https://x.com/kataokafuguri/status/2010252451103089033"&gt;Party on the Spider Web!&lt;/a&gt;」に参加していた日だったのをよく覚えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;申し込みから5ヶ月ほどの間に、&lt;a href="/post/banner8831/"&gt;マイクロなGIFアニメバナーを目指して&lt;/a&gt;という記事で &lt;em&gt;個人サイトっぽい&lt;/em&gt; サイトバナーを作ったり、ブースに来てくれた人のためのサイト紹介記事を準備したりしました。開催1ヶ月前くらいに何か新しい作品でも置いておこうかな～と思ったんですが、コミティアの準備と重なって完成しなかったので、書きかけのまま置いてあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;開催の2週間前くらいに運営から&lt;a href="https://ma100.stars.ne.jp/meguruichi/news/tegalog.cgi?postid=16"&gt;参加表明シート&lt;/a&gt;が配られたので、いい感じに埋めて&lt;a href="https://x.com/amane_katagiri/status/2057023107781792198"&gt;告知ポスト&lt;/a&gt;も作りました。百合小説・エッセイ・技術・怪文書・生活・写真・団地・転籍届・こうかんノート・Web・架空・廃墟などをお送りするへんなサイトです！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://x.com/amane_katagiri/status/2057023107781792198"&gt;&lt;img alt="めぐる市の告知ツイートに添付した参加表明シート" height="600" src="/images/after-meguruichi/meguru2026_mapB2.png" width="600"&gt;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;当日は&lt;a href="https://picrea.jp/event/a306c73ff0f8e27bfdee1cd291159a49a8f21c31c4c832236d04b1cca8e48cfb/circle/47043"&gt;B-41&lt;/a&gt;でブースに着席したり、会場を歩き回ったり、みなさんの個人サイトを見て回ったりしました。実は開催直前まで土曜の朝10時から日曜の夜10時まで（36時間）と勘違いしていましたが、日曜の朝10時まで（24時間）でした。深夜から早朝はおそらくブースや記事への訪問も少なく、実質的には土曜いっぱいで終わりという感じ。個人サイトを一つ一つ探りながら回るにはちょっと短い印象でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;サイト紹介記事として用意した&lt;a href="/post/meguruichi/"&gt;「個人サイトWebオンリー めぐる市」参加によせて&lt;/a&gt;という記事は、けっこうたくさん読んでもらえた印象です。ブースからの流入はもちろん、Blueskyで紹介してもらっていたようで&lt;sup id="fnref:bluesky-1"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:bluesky-1" title="@silverbirder.bsky.social:3mnln5j6fis2q"&gt;2&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;&lt;sup id="fnref:bluesky-2"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:bluesky-2" title="@wakanatrium.bsky.social:3mnlza2ssc22x"&gt;3&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;、こちらを経由したアクセスもありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こちらは開催後ですが、めぐる市に参加していたヒフミさんのサイト「&lt;a href="https://ry0ryuka.xii.jp/"&gt;涼 流 花&lt;/a&gt;」の&lt;a href="https://ry0ryuka.xii.jp/design/wrapup-megruichi2026"&gt;個人サイトwebオンリーめぐる市(2026)サークル参加・全スペース制覇ログ・お気に入りサイト紹介&lt;/a&gt;でも紹介いただいています。アクセシビリティの設定でGIFアニメが再生されないことがある、という記載を見て、サイトバナー&lt;sup id="fnref:no-cc-by-banner"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:no-cc-by-banner" title="このバナーはCC BY 4.0でライセンスされていません。"&gt;4&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;を1フレーム目が停止していても不自然にならないように少しずらしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="~あまねけ！サイトバナーの1フレーム目の比較画像で、ama.ne.jpの1文字目「a」にかかる光の反射が取り除かれているのを示す様子" height="93" src="/images/after-meguruichi/amaneke-banner-update.png" width="660"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ブースへの絵文字リアクションもたくさんもらえて嬉しかったです！&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="めぐる市のサークルページで30個ほどの絵文字リアクションをもらっている様子" height="400" src="/images/after-meguruichi/booth-reaction.png" width="400"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;サイト紹介記事では&lt;a href="https://subscribe.amane.moe/"&gt;メール通知サービス&lt;/a&gt;や&lt;a href="/feeds/"&gt;フィード&lt;/a&gt;の購読をお願いしていましたが、購読数が増えたかは微妙な感じ？でした。特にフィードは購読の動向について知る方法がほとんどないので、今後の記事へのアクセスでほんのり体感できるかもしれません。メール通知については、先日の&lt;a href="/post/amaneke-traffic-count-202606/"&gt;あまねけ！交通量調査（2026年6月）&lt;/a&gt;のお知らせを受け取った人がいるかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;フィードリーダーはあまねけ！以外のあらゆる個人サイトの更新をまとめて確認できる便利なツールなので、まだお持ちでない方は&lt;a href="/post/feed-and-you/"&gt;個人サイトとフィードのつかいかた&lt;/a&gt;などを元に導入してみてください。この記事をAIに渡して相談に乗ってもらうと楽に使い始められそうです（&lt;a href="https://chatgpt.com/share/6a2e6480-33bc-83e8-a794-5b18e84e97e1"&gt;一例&lt;/a&gt;）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://picrea.jp/event/a306c73ff0f8e27bfdee1cd291159a49a8f21c31c4c832236d04b1cca8e48cfb/circle_cut"&gt;サークルカット一覧&lt;/a&gt;にリンクが残っているブースもあるので、興味があれば実際に見てみるといいでしょう。イベント期間中のみ掲載されていたリンクはもう見られないのと、イベント合わせで公開した特設ページは既に閉鎖されているかもしれないので、その点はご注意ください。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_2"&gt;そのほか、自分以外についての感想……&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;イベント中にマップを歩いているアバターがいろいろ素敵だったので、印象に残ったものを紹介します。マップのスクショを撮り忘れていて、すれ違ったときの記憶頼みの部分があるので、アバターの詳細は違うかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず、と・り・なという黒い文字の身体で歩いていた東空とりなさん（サークル: &lt;a href="https://picrea.jp/event/a306c73ff0f8e27bfdee1cd291159a49a8f21c31c4c832236d04b1cca8e48cfb/circle/32829"&gt;イカサマの詰め合わせ&lt;/a&gt;）。右向きに歩くと鏡文字になっていました。アイコンやサイトバナーでもこの文字絵（葦手絵？）が使われていて、色数も少なくシンプルな線で識別性を高めたクールな印象を受けます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;次に、青いフロッピーディスクがてくてく歩いていた汲さん（サークル: &lt;a href="https://picrea.jp/event/a306c73ff0f8e27bfdee1cd291159a49a8f21c31c4c832236d04b1cca8e48cfb/circle/47051"&gt;河川敷&lt;/a&gt;）。&lt;a href="https://bsky.app/profile/0000cd.bsky.social/post/3mnokeannd22e"&gt;Blueskyの投稿&lt;/a&gt;でアバターのスクショが投稿されていたのを確認済み。アバターと同じく、個人サイトの方も初期のMacintoshのような古いOSのGUIデスクトップ画面を模してよく作り込まれており、昔のPoolside.FMのような雰囲気を思い出します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最後に、白黒のハッチング模様（斜線トーン？）の羊さんで歩いていた黑野羊さん（サークル: &lt;a href="https://picrea.jp/event/a306c73ff0f8e27bfdee1cd291159a49a8f21c31c4c832236d04b1cca8e48cfb/circle/44297"&gt;黑羊文庫&lt;/a&gt;さん）。細かいパターンの模様なので、動くとよく目立って印象に残ります。各種SNSのアイコンや活動報告のヘッダーにも使われていて、記事の内容に合わせてシーズンのアイテムなどを抱えているのも可愛いです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;個人サイトもいろいろ見て回りました。マウスを動かしているだけでワクワクする作り込まれたデザインのサイト、コンテンツの閲覧に集中できるシンプルなデザインのサイト。可愛いイラストや漫画、短編小説を並べる作品メインのサイトや、日記やスナップ写真の発信がメインのサイト。個人サイト制作のTipsやテンプレート配布がメインのサイトもありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;関係をなす性別を問わない恋愛表現を指す「3L&lt;sup id="fnref:3l"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:3l" title="NL/HL・GL・BLの3つのLをまとめて3Lという意味のようですが、LGBTと同様に具体的な略称をなす概念のみに限定されるものではないと考えるべきです。"&gt;5&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;」という馴染みのない用語を知ったのも、今回が初めてです。&lt;a href="https://www.nishishi.com/cgi/tegalog/"&gt;てがろぐ&lt;/a&gt;を利用しているサイトがかなり多かったのも印象的でした。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_3"&gt;ついでに、個人サイトの定義やメンタルモデルについて……&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;めぐる市の告知サイトでは、「個人サイトの基準」に踏み込んで苦労した跡が残っていました。最終的には、具体的なサービス名やフレームワークを挙げて個人サイトかどうかを判定する、という外延的な定義にまとまったようです。「なるべく広く定義しております」と言っているとおり、いわゆるブログやホームページ作成ツールも含むライトな発信者の層を取り込む方針を示していました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;別の例として、個人サイトのリンク集を謳う&lt;a href="https://nodenarium.net/"&gt;Nodenarium&lt;/a&gt;では、&lt;a href="https://nodenarium.net/submit"&gt;審査基準&lt;/a&gt;として「特定少数による運営」「既存のプラットフォーム上にないこと」「私的な内容の投稿を含むこと」などを挙げています。より狭く内包的な定義ですね。これをきっかけに書かれた&lt;a href="/post/ltu-balance/"&gt;LTUバランスのこと&lt;/a&gt;では、この&lt;a href="/"&gt;あまねけ！&lt;/a&gt;を「『わたし』が限りなく尊重されている、外向きの自己と内向きの自己を自由に表現できる場」と表現しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回、めぐる市に参加している個人サイトを眺めて、自分自身が個人サイトをどう位置付けているか、どこに特徴があるかについても掘り下げられました。つまり、これまで無意識にやっていたけれど、他の個人サイトにはなさそうな工夫があったということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず、私はトップページのファーストビューで意味のある情報を出せるようにしていました。インターネットで重要なのは、コンテンツまでのクリック数を減らすこと&lt;sup id="fnref:x-babel"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:x-babel" title="とあるSNSでは、もともと搭載されていた翻訳機能をタップなしで自動適用されるようにしただけで、異言語圏の交流が非常に盛んになったらしいです。"&gt;6&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;。しかし各ブースのリンクを開いてみると、無断転載やAI学習を禁じる宣言、大きなヘッダーだけが表示され、クリックやスクロールなしではコンテンツのサムネイルすら見えない個人サイトがけっこう多かったです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、昔描いた一枚絵を見せるのが主目的のサイトであればよいのですが、ふつうは新しい作品やイベント参加情報、実績を知ってもらいたいのではないかと思います。あまねけ！は記事を読んでもらうのが第一なので、ファーストビューで4～8記事のタイトルと冒頭数十文字を読むことができるようになっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして、私はコンテンツのタイムラインをできるかぎり1本に絞っていました。これを &lt;strong&gt;メインライン&lt;/strong&gt; と名付けましょう。あまねけ！は記事という単位でパッケージした文章をメインラインに配置しており、必要に応じてメインラインから切り出した作者やカテゴリ別のタイムラインも利用できます。これは&lt;a href="/feeds/"&gt;フィード&lt;/a&gt;として配布している更新情報と背中合わせの概念です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;サイトにメインラインがあるメリットは、なんといっても読者が迷わないという点です。みなさんは即売会に行ったことがありますか？　では、特に事前情報もなく通りかかったサークルに興味を持ったことは？　そのとき特に注目するのは、「新刊」がどういう内容か、だと思います。ここで新刊がどれか分からないとか、同じような新刊が2冊ある、あるいは見本誌を読むのに合い言葉が必要なとき……試しに1冊買ってみようという気持ちは薄れてしまうでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは個人サイトでも同じだと思うのです。長年様々なジャンルで活動してきたせいで、複数のタイムラインが同じように並んでいるとか、トップページが情報過多でどの情報から辿ればいいか分からないとか……もちろん「別にあなたのために作ってるわけじゃないですよ」と言われればそれまでの縁ですが、もう少し素敵な初訪問だったらよかったな、と思えてなりません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まとめると、あまねけ！は「自己表現を込めた記事を1本のメインラインに据えた、シンプルな読みやすさを重視したブログに近い個人サイト」である、ということが分かりました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回は、個人サイトの展示が主目的という珍しいイベントを通じて、普段なかなか見る機会のない個人サイトをたくさん巡回できました。様々なジャンルや年齢層の人たちが自分の世界を作り上げているのは、本当に素晴らしいことです。SNSでの無意味な炎上や横暴なBANの被害を避けたり、一過性のインプレッションでしか評価されない過激で刹那的な世界から自由であり続けるには、やはり個人サイトしかありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;個人サイトを作る人や見てくれる人が、これからも素敵な個人サイトライフを送れますように！&lt;/p&gt;
&lt;div class="footnote"&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id="fn:meguruichi-personal-site"&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://ma100.stars.ne.jp/meguruichi/"&gt;個人サイトWebオンリー めぐる市紹介ページ&lt;/a&gt;内Q&amp;amp;A「展示に利用できる個人サイトの基準とは何ですか？」の回答より&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:meguruichi-personal-site" title="Jump back to footnote 1 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:bluesky-1"&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://bsky.app/profile/silverbirder.bsky.social/post/3mnln5j6fis2q"&gt;@silverbirder.bsky.social:3mnln5j6fis2q&lt;/a&gt;&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:bluesky-1" title="Jump back to footnote 2 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:bluesky-2"&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://bsky.app/profile/wakanatrium.bsky.social/post/3mnlza2ssc22x"&gt;@wakanatrium.bsky.social:3mnlza2ssc22x&lt;/a&gt;&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:bluesky-2" title="Jump back to footnote 3 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:no-cc-by-banner"&gt;
&lt;p&gt;このバナーは&lt;a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/"&gt;CC BY 4.0&lt;/a&gt;でライセンスされていません。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:no-cc-by-banner" title="Jump back to footnote 4 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:3l"&gt;
&lt;p&gt;NL/HL・GL・BLの3つのLをまとめて3Lという意味のようですが、LGBTと同様に具体的な略称をなす概念のみに限定されるものではないと考えるべきです。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:3l" title="Jump back to footnote 5 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:x-babel"&gt;
&lt;p&gt;とあるSNSでは、もともと搭載されていた翻訳機能をタップなしで自動適用されるようにしただけで、異言語圏の交流が非常に盛んになったらしいです。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:x-babel" title="Jump back to footnote 6 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/div&gt;</content><category term="ugoki"/></entry><entry><title>あまねけ！交通量調査（2026年6月）</title><link href="https://amanejp.netlify.app/post/amaneke-traffic-count-202606/" rel="alternate"/><published>2026-06-12T19:32:00+09:00</published><updated>2026-06-12T19:32:00+09:00</updated><author><name>Amane Katagiri</name></author><id>tag:amanejp.netlify.app,2026-06-12:/post/amaneke-traffic-count-202606/</id><summary type="html">&lt;p&gt;あまねけ！によく来ていたのは……意外なあの人！&lt;/p&gt;</summary><content type="html">&lt;p&gt;最近、Firebase Hosting&lt;sup id="fnref:firebase-blaze"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:firebase-blaze" title="モバイルおよびWebアプリ開発プラットフォームのFirebaseのうち、コンテンツをホスティングする機能がFirebase Hostingです。Firebaseでは無料のSparkプランと従量課金制のBlazeプラン（無料枠付き）があり、あまねけ！はBlazeプランを適用しています。"&gt;1&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;で運用しているこの個人サイト「&lt;a href="/"&gt;あまねけ！&lt;/a&gt;」のデータ転送&lt;sup id="fnref:outbound-traffic"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:outbound-traffic" title="ブラウザでページを表示したりダウンロードしたりする向きの通信のことです。"&gt;2&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;が急増しています。2026年5月に至っては毎月数円から数十円程度で済んでいたホスティング費用が790円まで跳ね上がってしまい、そろそろ調査が必要かなと思ったところです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1ヶ月に790円ともなると、無料枠と合わせて40GBくらいのデータ転送があったという計算になります。もし仮に、本当に訪問者が爆増してたくさん記事を読んでくれたならありがたいことですし、それに対して数百円払うなら安いものです。しかし、あまねけ！はアクセス解析&lt;sup id="fnref:shynet"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:shynet" title="あまねけ！ではShynetをセルフホストして簡易的なアクセス解析を行っています。Google アナリティクスのような第三者へのデータ提供を伴うサービスではありません。"&gt;3&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;やインターネットの反応を見ている限り日々だいたい無風であり、来るのは顔見知りと観光案内所&lt;sup id="fnref:mingeiinter"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:mingeiinter" title="たとえばミンゲイインターネットのような。"&gt;4&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;経由のニッチな観光客くらい。データ転送量だけが右肩上がりというのは説明が付きません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;a href="https://firebase.google.com/docs/hosting/usage-quotas-pricing"&gt;Firebase Hostingの料金プラン&lt;/a&gt;には、脚注で触れたとおりSparkプランとBlazeプランがあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;SparkプランのFirebase Hostingでは、 &lt;strong&gt;月に&lt;/strong&gt; 10GBの無料枠が割り当てられます。ドキュメントの記載がまちまちなのですが、実際はさらに &lt;strong&gt;1日に&lt;/strong&gt; 360MBの制限がかかります。そのため、例えば平日のアクセスが360MBを下回っても、使わなかった分を休日のアクセスに充てるような使い方はできません。比較的アクセスが多いサイトや画像メインのサイトではギリギリという印象です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここでBlazeプランに切り替えると、1日に360MBの無料枠は残ったまま、無料枠を使い切った後のデータ転送に0.15ドル/GBかかるようになります。Sparkプランと同様に、360MB/日を使い切った日ごとにそれぞれ料金がかかり、余った無料枠を別の日に回すことはできません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さて、これらの情報を踏まえて、今からあまねけ！交通量調査を進めていきます。もし以下の技術的観点に詳しくなければ、先に調べておくとよいかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;User-Agent&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;HTTPキャッシュ&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;クローラー&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;CDN&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;HTTP条件付きリクエスト&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;304 Not Modified&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;たまごポケット&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;では、始めましょう！&lt;/p&gt;
&lt;h3 id="_1"&gt;仮説&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;まず、これまでに得てきた情報を元に仮説を立ててみます。ここ数ヶ月は定期的に最終的なホスティング費用とアクセス解析を眺めていたので、ぼんやりと原因の予想もしていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最近のホスティング費用の動向は以下の通りです。2025年10月から急増し、2025年12月から2026年2月あたりは180円前後で安定したと思ったら、それ以降は急激に増加したという、3つのトレンドが読み取れます。2025年10月から2026年3月までは長期的な原因①で200円前後の増加があり、それ以降は新たな原因②が重なって600円前後の増加が重なった、と考えられるかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="~2025年8月から2026年5月のホスティング費用をまとめた棒グラフ" height="450" src="/images/amaneke-traffic-count-202606/firebase-hosting-cost.png" width="750"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
&lt;thead&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;th&gt;期間&lt;/th&gt;
&lt;th align="right"&gt;ホスティング費用（円）&lt;/th&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/thead&gt;
&lt;tbody&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2025/08&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;1&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2025/09&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;6&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2025/10&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;99&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2025/11&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;150&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2025/12&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;188&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2026/01&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;182&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2026/02&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;183&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2026/03&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;270&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2026/04&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;540&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td&gt;2026/05&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;790&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;アクセス解析の情報については、詳細なログの紹介は避けますがここ数ヶ月ほどは中国・香港・台湾からのアクセスログが多く、他にもUser-Agentがクローラーっぽいもの、あとはiCloudのプライベートリレーに包まれたアクセスなどが多かったです。滞在時間も少なく、多くのページを機械的に辿るアクセスも頻発していました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あまねけ！はほとんどが日本語の文章のコンテンツですし、知らない人が翻訳して読むほどの使いやすい情報はないはずです。ここ最近、海外からのアクセスが増えているとなると――AIの学習データ収集ボットが、あちこちの帯域を占有して回っているという話が頭をよぎります。これらの情報をまとめて、「&lt;strong&gt;AIの学習データ収集クローラーに狙い撃ちされており、アクセスが頻発してデータ転送量を押し上げている&lt;/strong&gt; 」という仮説を立てて調査を始めました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="_2"&gt;調査&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ホスティング費用とアクセス解析の傾向だけでは、まだ情報が足りません。Firebase HostingではHTTPアクセスログをCloud Logging&lt;sup id="fnref:cloud-logging"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:cloud-logging" title="Google Cloudで提供されているログ蓄積・検索・分析を行うサービスです。Firebase Hosting内のサービスではなく、あくまでログを連携してCloud Loggingから利用する関係です。"&gt;5&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;にエクスポートでき、Cloud Logging側では直近の30日間分のログを無料で保持できます。2025年10月頃からのトレンドを確認するのには足りませんが、ここ数日も続く大量のデータ転送を分析するには十分です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ログの分析には、ブラウザから利用できるログエクスプローラを使うのが手っ取り早いですが、User-AgentやIPアドレスごとに集計したり、過去のデータを手軽に保持したい場合は、対象期間のログを丸ごとダウンロードしてしまうのがおすすめです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今回は &lt;code&gt;gcloud&lt;/code&gt; コマンドで落とせる分を落としてみました:&lt;/p&gt;
&lt;div class="highlight"&gt;&lt;pre&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;code&gt;gcloud&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;logging&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="nb"&gt;read&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;resource.type=&amp;quot;firebase_domain&amp;quot;&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;--project&lt;span class="o"&gt;=&lt;/span&gt;YOUR_PROJECT&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;--format&lt;span class="o"&gt;=&lt;/span&gt;json&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&amp;gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;YOUR_PROJECT_&lt;span class="k"&gt;$(&lt;/span&gt;date&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-Id&lt;span class="k"&gt;)&lt;/span&gt;.json
&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;&lt;/div&gt;

&lt;p&gt;実行日が6月9日だったので、5月10日頃からのデータが含まれていました。以降はここで得られた &lt;code&gt;amanejp_2026-06-09.json&lt;/code&gt; に対して分析を進めていきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず、どんなファイルにアクセスがあるかを集計します:&lt;/p&gt;
&lt;div class="highlight"&gt;&lt;pre&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;code&gt;cat&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;amanejp_2026-06-09.json&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;jq&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-r&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;.[] | [.httpRequest.requestUrl, (.httpRequest.responseSize // 0 | tostring)] | @tsv&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;awk&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-F&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;\t&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;{size[$1]+=$2; count[$1]++} END {for(u in size) printf &amp;quot;%10.2f MB  %6d reqs  %s\n&amp;quot;, size[u]/1000000, count[u], u}&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;sort&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-rn&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;head&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-n10
&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;&lt;/div&gt;

&lt;table&gt;
&lt;thead&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;th align="right"&gt;データ転送量&lt;/th&gt;
&lt;th align="right"&gt;リクエスト数&lt;/th&gt;
&lt;th align="left"&gt;URL&lt;/th&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/thead&gt;
&lt;tbody&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;24179.65 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;7039&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;15459.31 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;109120&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;370.21 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;13&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/appendices/archive/amanejp.zip&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;188.14 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;593&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/ugoki.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;118.78 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;114&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/amane-katagiri.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;84.15 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;168&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/lily.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;56.88 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;27&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/images/yet-another-barcode-system/akasha.webm&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;51.37 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;235&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/tech.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;48.53 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;548&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/theme/images/amanejp-banner_88x31.gif&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;37.30 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;31&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/images/ffmpeg-tomori/yakiniku.gif&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;ここで分かったのは、ほとんどのアクセスが全体フィードとトップページに対するものだということ。あまねけ！には動画や画像などの大きめのファイル、さらに大きなZIPアーカイブも含まれていますが、アクセス数が桁違いなのでデータ転送量では無視できるレベルになっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;フィードへのリクエストはブラウザ前提のアクセス解析には出ないので、海外からのアクセスが急増したという印象は見当違いだったようです。一方で、トップページならアクセス解析に出るはずですが、月に10万件以上のアクセスがあったという記録は見つかりません。ちょっと観点を変えて掘り下げる必要がありそうです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで、次にどんなUser-AgentでどんなURLにアクセスしている傾向があるかを集計してみます:&lt;/p&gt;
&lt;div class="highlight"&gt;&lt;pre&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;code&gt;cat&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;amanejp_2026-06-09.json&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;jq&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-r&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;.[] | [.httpRequest.requestUrl, .httpRequest.userAgent, (.httpRequest.responseSize // 0 | tostring)] | @tsv&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;awk&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-F&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;\t&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;{key=$1&amp;quot;\t&amp;quot;$2; size[key]+=$3; count[key]++} END {for(k in size) printf &amp;quot;%10.2f MB  %6d reqs  %s\n&amp;quot;, size[k]/1000000, count[k], k}&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;sort&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-rn&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;head&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-n5
&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;&lt;/div&gt;

&lt;table&gt;
&lt;thead&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;th align="right"&gt;データ転送量&lt;/th&gt;
&lt;th align="right"&gt;リクエスト数&lt;/th&gt;
&lt;th align="left"&gt;URL&lt;/th&gt;
&lt;th align="left"&gt;User-Agent&lt;/th&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/thead&gt;
&lt;tbody&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;21302.57 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;4736&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;strong&gt;（設定なし）&lt;/strong&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;15079.03 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;86219&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;strong&gt;Uptime-Kuma&lt;/strong&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;910.35 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;719&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（フィードリーダー系のクローラー）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;337.31 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;266&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（RubyのHTTPクライアント）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;265.37 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;59&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（フィードリーダー系のクローラー）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;207.64 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;164&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（フィードリーダー系のクローラー）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;169.29 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;1&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/appendices/archive/amanejp.zip&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;a href="https://developers.openai.com/api/docs/bots"&gt;GPTBot&lt;/a&gt;&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;169.29 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;1&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/appendices/archive/amanejp.zip&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（一般的なブラウザ）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;164.01 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;130&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（RubyのHTTPクライアント）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;130.83 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;148&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;&lt;code&gt;/feeds/all.atom.xml&lt;/code&gt;&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;（フィードリーダー系のクローラー）&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;上位2件が21GB・15GBと合わせて36GBほどあり、飛び抜けて多いですね。しかし全体フィードへのアクセスのUser-Agentは空っぽで、もしかしたら複数のクローラーからのアクセスがまとめられて大きく見えているのかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;トップページに対するアクセスの &lt;code&gt;Uptime-Kuma&lt;/code&gt; というUser-Agentは、&lt;a href="https://uptimekuma.org/"&gt;Uptime Kuma&lt;/a&gt;というサーバーの死活監視サービスからの定期的なアクセスです。実はこのサービスは私自身が設置したもので、意外と無駄な転送量を消費していることが分かりました。 &lt;strong&gt;なんてこった！&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、Uptime Kumaを設置したのは2025年10月よりかなり前なので、ここ数ヶ月で急に増え始めたというトレンドを綺麗に説明できません。トップページに記事の冒頭を含めるなどの変更でサイズが大きくなった影響を受けたとか、この時期にバージョンアップしたUptime Kumaの監視戦略が変わったとか、CDNのキャッシュ戦略が変わったのかもしれない、と予想しておきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;全体フィードの話に戻りましょう。最後にアクセス元IPアドレス別に集計してみます:&lt;/p&gt;
&lt;div class="highlight"&gt;&lt;pre&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;code&gt;cat&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;amanejp_2026-06-09.json&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;jq&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-r&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;.[] | [.httpRequest.remoteIp, (.httpRequest.responseSize // 0 | tostring)] | @tsv&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;awk&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-F&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;\t&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;{size[$1]+=$2; count[$1]++} END {for(u in size) printf &amp;quot;%10.2f MB  %6d reqs  %s\n&amp;quot;, size[u]/1000000, count[u], u}&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;sort&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-rn&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;head&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-n1
&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;&lt;/div&gt;

&lt;table&gt;
&lt;thead&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;th align="right"&gt;データ転送量&lt;/th&gt;
&lt;th align="right"&gt;リクエスト数&lt;/th&gt;
&lt;th align="left"&gt;IPアドレス&lt;/th&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/thead&gt;
&lt;tbody&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="right"&gt;21302.57 MB&lt;/td&gt;
&lt;td align="right"&gt;4736&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;xxx.xxx.xxx.xxx&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;結局、21GBほどのアクセスが同一のIPアドレスから行われているログが確認できました。このIPアドレスを &lt;code&gt;whois&lt;/code&gt; コマンドで調べると、とある日本国内のレンタルサーバー会社に属するもののようです。おそらくは、あまねけ！をセルフホストのフィードリーダーに登録した読者がいて（これはすごくありがたいことです！）、しかしフィード取得の実装が少し甘いのだと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このフィードリーダーがどういうアクセスをしているのかを確認してみましょう。アクセス日時とステータスコードを抜き出してみます:&lt;/p&gt;
&lt;div class="highlight"&gt;&lt;pre&gt;&lt;span&gt;&lt;/span&gt;&lt;code&gt;cat&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;amanejp_2026-06-09.json&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;jq&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-r&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="s1"&gt;&amp;#39;.[] | select(.httpRequest.remoteIp == &amp;quot;xxx.xxx.xxx.xxx&amp;quot;) | [.timestamp, .httpRequest.status] | @tsv&amp;#39;&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="se"&gt;\&lt;/span&gt;
&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;sort&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;&lt;span class="p"&gt;|&lt;/span&gt;&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;head&lt;span class="w"&gt; &lt;/span&gt;-10
&lt;/code&gt;&lt;/pre&gt;&lt;/div&gt;

&lt;table&gt;
&lt;thead&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;th align="left"&gt;アクセス日時（UTC）&lt;/th&gt;
&lt;th align="left"&gt;HTTPステータスコード&lt;/th&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/thead&gt;
&lt;tbody&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 06:16:54&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 06:23:02&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 06:34:07&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 06:40:08&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 06:51:11&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 06:56:59&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 07:08:04&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 07:14:02&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 07:25:05&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;tr&gt;
&lt;td align="left"&gt;2026-05-10 07:31:13&lt;/td&gt;
&lt;td align="left"&gt;200&lt;/td&gt;
&lt;/tr&gt;
&lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;5～15分間ほどの間隔でフィードにアクセスしており、全てのリクエストが200で返っています。つまり、毎回キャッシュに当たらずに常に最新のフィードを取得しているということです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あまねけ！も含め、自前でフィードを提供している多くの個人サイトは1日から数ヶ月に1回ほどの更新が多く、1時間に1回程度のチェックでも十分ですし、 &lt;code&gt;If-Modified-Since&lt;/code&gt; や &lt;code&gt;If-None-Match&lt;/code&gt; を用いた条件付きリクエストを使えば304レスポンスで転送量を節約できます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん、せいぜい5分間に一度のフィード取得を攻撃や迷惑行為と評するつもりは一切ないのですが、やはりデータ転送量の観点では無駄な処理と言わざるを得ません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さて、調査結果をまとめます。ここ最近のあまねけ！ホスティング費用の増加には2つの原因があることを確認できました。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;自前の死活監視サービスによる定期的なトップページの取得によるデータ転送の増加&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;日本国内のレンタルサーバーに設置されたフィードリーダーからのフィード取得によるデータ転送の増加&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;やはり、どちらも訪問者が爆増したのが原因というわけではなく、むしろデータ転送量としては節約の余地が大きい事象が2つも見つかりました。ちょっと残念。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="_3"&gt;対策&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;さて、今回のデータ転送量急増事件については、2つの観点で対策が必要だと分かりました。1つは自前の死活監視サービスであるUptime Kumaへの転送量を減らす対策、もう1つはフィードへのアクセスによる転送量を減らす対策です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まず、Uptime Kumaのデータ転送量の削減です。そもそもFirebase HostingはバックエンドのCDNがFastly&lt;sup id="fnref:fastly"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:fastly" title="グローバル規模のCDNやエッジコンピューティング環境を提供する会社の名前であり、同社が提供するCDNサービスの通称でもあります。"&gt;6&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;であり、一個人がわざわざ監視するほど不安定なインフラではありません。それはそれとして&lt;a href="https://status.amane.moe/"&gt;ステータスページ&lt;/a&gt;には緑のバーを出しておきたいので、監視間隔を3倍に延ばして、確認するURLをよりサイズの小さなページ（トップページの5%ほど）にしました。これで、月に15GBのデータ転送量が250MBくらいに減ることが期待できます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;次に、フィードのアクセスによるデータ転送量の削減です。レンタルサーバーの運営元が分かっているのでabuse窓口に連絡してもいいのですが、迷惑行為というには緊急性が低く穏やかな挙動ですし、もしかしたらこの記事を読んで対応してくれるかもしれないので、まずはそれ以外の対策を実施します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;あまねけ！のフィードには全ての記事（現時点で200件以上）が含まれており、しかも本文の内容を最後まで含むかなり大きなものになっています（3～4MB程度）。フィードに本文を入れておくと、フィードリーダーによってはサイトを開かずにプレビューできて便利です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;img alt="FreshRSSであまねけ！の記事をプレビューしている様子" height="750" src="/images/amaneke-traffic-count-202606/freshrss-preview-sample.png" width="750"&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この利便性は削りたくないので、フィードに含める記事の件数を最新から10件までに絞ることにしました。多くのフィードリーダーは記事の更新に注目しており、数年以上前の古い記事は最初に取得したきり無視するからです。実測サイズベースでは4%以下になったので、月に21GBあったデータ転送量は650MBほどになるでしょう。まだ少し多く感じますが、他のフィードリーダーへのデータ転送も減らせる対策なので、その効果はさらに大きくなるはずです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これで今回のあまねけ！交通量調査で見つかった事象に対する処置はおわりです。既にこれらの対策がバッチリ効いているようで、ここ数日は無料枠を少し超える程度のデータ転送量まで抑えられています。あとは6月と7月の請求額が出ればひとあんしん。もし今後も長期的な分析が必要なら、アクセスログは定期的に取得しておくとよいでしょう。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id="_4"&gt;結論&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;昨年からじわじわ増加していたホスティング費用の内訳について調査を行いました。半年以上放置しながら「学習データ収集ボットが押し寄せてるな～」となんとなく考えていたわけですが、よく調べるとその予想は見当違いで、実際もっと地味な原因が潜んでいたのが明らかになりました。やっぱり客観的なデータをきちんと分析するのは重要ですね。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;みなさんも、ご自身のWebサイトへのアクセス傾向を改めて分析してみてください。特に、自前で死活監視サービスを持っている方は、定期的なアクセスで意外とデータ転送量がかさんでいるかもしれません。従量課金でなければあまり気にしなくてよいでしょうが、新しい発見もあるのでおすすめです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、ふつうのブラウザで記事を閲覧するときにかかるデータ転送量はほぼ無視できる&lt;sup id="fnref:mobile-traffic-cost"&gt;&lt;a class="footnote-ref" href="#fn:mobile-traffic-cost" title="Firebaseのデータ転送料は25円/GBくらいで、むしろ受信側であるモバイル通信のデータ単価の方が50～300円/GBと高いです。"&gt;7&lt;/a&gt;&lt;/sup&gt;ので、みなさんには今後もどんどんあまねけ！を読んでほしいなと思います。&lt;/p&gt;
&lt;div class="footnote"&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li id="fn:firebase-blaze"&gt;
&lt;p&gt;モバイルおよびWebアプリ開発プラットフォームのFirebaseのうち、コンテンツをホスティングする機能がFirebase Hostingです。Firebaseでは無料のSparkプランと従量課金制のBlazeプラン（無料枠付き）があり、あまねけ！はBlazeプランを適用しています。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:firebase-blaze" title="Jump back to footnote 1 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:outbound-traffic"&gt;
&lt;p&gt;ブラウザでページを表示したりダウンロードしたりする向きの通信のことです。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:outbound-traffic" title="Jump back to footnote 2 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:shynet"&gt;
&lt;p&gt;あまねけ！では&lt;a href="https://github.com/milesmcc/shynet"&gt;Shynet&lt;/a&gt;をセルフホストして簡易的なアクセス解析を行っています。Google アナリティクスのような第三者へのデータ提供を伴うサービスではありません。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:shynet" title="Jump back to footnote 3 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:mingeiinter"&gt;
&lt;p&gt;たとえば&lt;a href="https://mingeiinter.net/"&gt;ミンゲイインターネット&lt;/a&gt;のような。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:mingeiinter" title="Jump back to footnote 4 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:cloud-logging"&gt;
&lt;p&gt;Google Cloudで提供されているログ蓄積・検索・分析を行うサービスです。Firebase Hosting内のサービスではなく、あくまでログを連携してCloud Loggingから利用する関係です。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:cloud-logging" title="Jump back to footnote 5 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:fastly"&gt;
&lt;p&gt;グローバル規模のCDNやエッジコンピューティング環境を提供する会社の名前であり、同社が提供するCDNサービスの通称でもあります。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:fastly" title="Jump back to footnote 6 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;li id="fn:mobile-traffic-cost"&gt;
&lt;p&gt;Firebaseのデータ転送料は25円/GBくらいで、むしろ受信側であるモバイル通信のデータ単価の方が50～300円/GBと高いです。&amp;#160;&lt;a class="footnote-backref" href="#fnref:mobile-traffic-cost" title="Jump back to footnote 7 in the text"&gt;&amp;#8617;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;/div&gt;</content><category term="ugoki"/></entry></feed>